株式公開 銀行に頼らず資金確保 株価上昇で「新規」回復傾向

arama-さん







 サントリーホールディングスの中核子会社で清涼飲料水部門を担う、サントリー食品インターナショナル(東京)の新規上場が話題となった。規模が大きく「今年の目玉」といわれたが、同社以外でも株式公開する企業が増加している。なぜ増えているのか。 



 Q 株式公開の利点は。



 A 証券取引所に上場し、自由に株式を売買できるようにするのが「株式公開」。公開すれば大勢の投資家を募って、広く運営資金を集められる。必ず返済しなければならない銀行の借り入れなどに頼らず、資金を確保できるのがメリットだ。サントリーグループは集めた約三千九百億円のお金を主に海外などの企業買収に使うみたいだ。清涼飲料水やアルコールの国内市場は高齢化で先細りなので、アジアなどへの展開を狙っているとみられる。



 Q 手続きは大変なのか。



 A 売上高や利益、事業の継続性など厳しい条件をクリアする必要がある。「ゼロから準備を始めると最低二年かかる」(SMBC日興証券)のが一般的。取引所から公開が認められると企業の社会的信頼は高まるから、「人材確保や取引先の拡大にも効果が出る」といわれる。



 Q 今年は株式公開が増えている。



 A 全国の公開社数は六月末で二十一社に達し、昨年同期の十八社を上回るペース。ネット関連や医療関係を中心に新興市場に上場する企業が多い。公開は年後半にかけて集中するから、「最終的に六十~七十社程度になる」(中堅証券)予想。公開社数はリーマン・ショック後の〇九年に激減したが、徐々に回復し今年は〇八年の四十九社も超えそうだ。



 Q なぜ増えているの。



 A 証券関係者は「株価上昇で取引が活発になっているため」と分析している。公開を検討する企業にとっては株を高値で買ってもらった方が調達できる資金も多くなる。既に準備を終え、上場の時期を見計らっていた企業にとってはチャンス到来だ。上昇相場を逃すまいと株式公開に踏み切った企業もあるようだ。

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