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中国
[上海 21日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)による信用の急速な伸び抑制に向けた断固たる姿勢で、中国の銀行間金利は20日、急上昇した。一部の金融機関は資金調達難に直面。市場ではパニックやデフォルト(債務不履行)のうわさが広がった。
20日の上海短期金融市場では、指標となる7日物レポ金利(加重平均)が380ベーシスポイント(bp)上昇し、過去最高の12.06%をつけた。翌日物レポ金利も598bpと急上昇し、13.85%となった。
市場では資金供給の期待が高まったが、人民銀行は通常の公開市場操作でのレポ業務は行わないと発表した。
市場関係者によると、短期金融市場では、多額の負債をかかえる小規模銀行など、一部の金融機関が資金繰りに窮している。人民銀行は、金融機関に債務負担を減らすよう強制しているようだ、との指摘もある。
政府は、金融機関に対して富裕層向け金融商品の販売など、非中核事業を圧縮させるよう圧力をかけている。金融機関は、短期金融市場の預金や社債、銀行融資などを証券化した富裕層向け商品を、預金金利よりも高利回りを求める顧客に販売している。
また中国では、シャドーバンキング(影の金融、私的融資や信託ローン、ノンバンクからの借り入れなど)が拡大しており、格付け会社のフィッチ・レーティングスはシャドーバンキングが金融の安定を損ねるリスクが高まっていると指摘する。
野村はリポートで、中国の新指導部はこうした金融リスクを十分に認識しているとし「指導部の任期が10年であること踏まえると、長期の政策目標達成のためにある程度の短期的な苦痛は受け入れる方針だろう」と指摘。そのうえで、数カ月以内に製造業やノンバンクセクターで一部企業がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性がある、との見方を示した。
エコノミストは、短期金利が高止まりした場合、ファイナンスコストの上昇を招く可能性があると指摘する。
ただ、21日の中国短期金融市場では、7日物レポ金利は351ベーシスポイント(bp)低下して8.12%となった。翌日物レポ金利は378bp低下の7.96%。市場では、中国人民銀行が、主要国有銀行にキャッシュオファーのガイダンスを行ったとの観測が広がっている。
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