投資にチャートを重視するかファンダメンタルに重きを置くかで、あなたの投資方法が分かります。短期取引をされる方はチャート派、長期はファンダ派ではないかと……。
チャート分析の方法はいろいろありますが、基本的には過去の数値を一定のルールで図式化します。過去の動きには季節、社会、政治、国際情勢などさまざまな要素によってパターン化することができます。それをチャートに表わし同じような将来が再現すると考えれば予測の手段にはなります。
始値、高値、安値、終値が、一つの図形になっている「ろうそく足」は、日本人の発明として世界に誇れるチャートだそうです。ろうそく足を使った株価予測は、窓埋めの理論を始め、もったいぶった名前のついた秘法など数多く存在します。
一目均衡表も日本人が開発したチャートで、株価予測として利用する人も多いようですが、多くの人に知られているので、再現性があるかどうかは不明です。
私は、投資の際にはチャートを使って、高値安値の時期、株価のくせ、波動のどの辺の場所にあるかをチェックに利用しますが、決してチャートの延長線で株価を見ることはしていません。
それに対して、ファンダメンタルは、景気や国際環境などの外部環境や、企業の財務体質や業績予想などを分析して、将来の株価の見通しを予測する手法です。経済規模や企業価値に着目してバリエーションという人もいます。
個別企業の業績や財務状況は、決算書から見ることができますが、株価との関係を見る指標としては、PER、PBR、配当利回りがあり、これらの指標が将来どのように変化するかを、経済情勢、業界のおかれている状況、競争力などから判断して、少し長めの株価を知ろうとします。その会社の業績が上向いているかどうかを判断することが、株価を動かすもっとも大切な要素になります。
ただ、そういった指標が、株価をどれだけ動かすかは、そのときの株価の位置と方向性の中で決まりますので、過信することは危険になります。それでも、将来を予測する指標としては、ファンダメンタル以外に考えられないような気がします。
とはいっても、ファンダメンタルだけで株価が動くわけではありません。チャートで短期相場を読み、ファンダで長期を考える人が売り買いをしますが、信用取引の期日、先物取引の決済、損切り、利食い、会社の持ち合い解消など、チャートやファンダ以外の要因で取引をする人も取引には加わります。さまざまな人が加わり需給が構成されます。需給はすべての投資行動の接点といえます。
私は、ファンダ派でもないチャート派でもない、需給派かもしれません。その需給派がこれからの株価を予測すると……。
5月22日以来、出来高も値動きも記録ずくめの相場になっています。市場にある不安を利用してファンド筋が、相場を大きく動かしているわけですから、不安を取り除くか、受け皿を用意するかが必要です。
最大の不安は選挙に負けて、資金が海外に逃げ出すことですから、これは選挙が終わるまで解消されません。残るは、ヘッジファンドに負けないだけの金を用意して買い支えるか、ヘッジファンドに売らないように頼むしかありません。
需給派では、株価の予測は無理のようです。