経営再建中のシャープは七日、資本・業務提携した米通信技術大手クアルコムから二十四日までに約五十九億円が払い込まれることになったと発表した。クアルコムの出資比率は3・53%(議決権ベースでは3・58%)となり、資本・業務提携した韓国サムスン電子を抜いて第三位の大株主になる。
払い込みは昨年十二月に続き二回目で、総額約百八億円の出資が完了する。出資額は当初、総額約百億円を想定したが、円安が進んだ影響でやや上振れした。
二回目の払い込みの条件だった新型パネル「MEMS(メムス)ディスプレー」の量産化にめどが付き、既に試作品が完成した。新型パネルは消費電力が少ないことなどが特長で、両社は今後、商品化に取り組む。
ただ、シャープは二年連続の巨額赤字が響き、三月末の自己資本比率が6・0%に落ち込んでいる。
クアルコムの出資は抜本的な資本増強にはつながらず、公募増資などが引き続き課題となる。