5月の数字を確認する為、日米の主要な株式の指数を4月末と5月末で比較してみた。
今月後半の暴落があったため、さすがに日本の指数が米国の指数に比べると悪いが、意外と差が少ない。
日経平均が-0.03%に対してNYダウが1.86%と差は1.89%に過ぎない。
もっともTOPIXはこれらの指数の中でもっとも下落して-2.52%となったため、NYのS&P500の2.08%と差は4.60%となるが、それでも5%も差がない。
指数 31日 前日比 4月30日 4月30日比
日経平均 13,774.54 185.51 1.35% 13,778.75 -4.21 -0.03%
TOPIX 1,135.78 1.36 0.12% 1,165.13 -29.35 -2.52%
NY Dow 15,115.57 -208.96 -1.38% 14,839.80 275.77 1.86%
NY S&P 1,630.74 -23.67 -1.45% 1,597.57 33.17 2.08%
5月30日に東京市場が暴落し、31日に東京市場の平均株価が少し戻したのに対して
NY市場は30日は上昇、31日は下落と逆になっているのでそれを比較してみた。
まずは、29日と30日の比較である。
指数 29日 30日 前日比
日経平均 14,326.46 13,589.03 -737.43 -5.15%
TOPIX 1,178.87 1,134.42 -44.45 -3.77%
NY Dow 15,302.80 15,324.53 21.73 0.14%
NY S&P 1,648.36 1,654.41 6.05 0.37%
次は、29日と31日の比較である。
2日間で比較すると日経平均が-3.85%に対してNYダウが-1.22%と差は2.63%。
また、TOPIXが-3.66%に対してNYのS&P500が-1.07%と差は2.59%。
いずれも差は約2.6%と日経平均とNYダウの月間騰落率の差の1.89%を少し上回る程度となっている。
指数 29日 31日 前日比 29日比
日経平均 14,326.46 13,774.54 185.51 1.35% -551.92 -3.85%
TOPIX 1,178.87 1,135.78 1.36 0.12% -43.09 -3.66%
NY Dow 15,302.80 15,115.57 -208.96 -1.38% -187.23 -1.22%
NY S&P 1,648.36 1,630.74 -23.67 -1.45% -17.62 -1.07%
東京市場は5月23日にも暴落しているので、22日からの騰落率と30日からの騰落率を見てみると次の通りとなった。
こちらは予想通り月間パフォーマンスとの差が東京市場の方が大きくなっていることがわかる。
しかし、日経平均が-11.83%に対してNYダウが-3.05%と差は8.78%。
また、TOPIXが-8.69%に対してNYのS&P500が-3.49%と差は5.20%。
5月22日比と4月30日比の差を月間騰落率と比べる次の通りとなった。
日経平均とNYダウとの差が1.89%に対して8.78%と月間騰落率を大きく上回る差があり、日経平均がNYダウに対して大きく上回っていた分を5月22日からの暴落により先月以前からの一気に解消したことがわかる。
しかし、TOPIXとNYのS&P500の2.08%と差は4.60%に対して5.20%となっており、こちらは月間騰落率を少し上回るレベルとなっており、ほぼ月初からの騰落率の差が5月22日からの暴落により生じただけということのようだ。
つまり、日経平均という指標の5月22日以降の暴落が最も激しいのであり、よく言われる先物主導の暴落というのは当たっているように思える。
指数 31日 5月22日終値 5月22日比 4月30日 4月30日比 5月22日比と4月30日比の差
日経平均 13,774.54 15,627.26 -1,852.72 -11.86% 13,778.75 -4.21 -0.03% -1,848.51 -11.83%
TOPIX 1,135.78 1,276.03 -140.25 -10.99% 1,165.13 -29.35 -2.52% -110.90 -8.69%
NY Dow 15,115.57 15,307.17 -191.60 -1.25% 14,839.80 275.77 1.86% -467.37 -3.05%
NY S&P 1,630.74 1,655.35 -24.61 -1.49% 1,597.57 33.17 2.08% -57.78 -3.49%
ニュースにおいて日経平均が大きく取り上げられる関係もあり、そこを狙った仕掛けがされると騒ぎになりやすいということなのだろう。
しかし、月間騰落率では日経平均とNYダウとの差1.89%よりもTOPIXとNYのS&P500の差4.60%の方が大きいことからわかるように東京市場は実は5月22日より前に下落方向に転じていたようである。
それを把握していた機関投資家が5月23日に暴落を仕掛けて成功し、その後の不安定さを見て30日にもう一度仕掛けたと見て良さそうだ。
こうした下落方向になった心理状況に加え、31日のNY市場の下落し、さらに5月の月間パフォーマンスが下げに転じたのをカバーするべく行われたであろう月末のドレッシングの剥落が重なっている。
それを考えると6月3日の東京市場はそれらをカバーする大きなプラスの材料がなければ下落しかありえず、後は暴落レベルになるかどうかだけだろう。
5月31日は下げ方向かどうかの確認のみにして空売りは行わなかったので、利益が生じるわけではないが、下げ方向という判断自体は当たってしまうようである。
特に月末ドレッシングを目指して無理矢理上げて日経平均寄与度の上位になった銘柄や、米国市場や為替の影響を受け易い銘柄の動きには注意が必要に思える。
底を確認するまで、買いを入れる形での参加は難しい状況と私個人は考えざるを得ません。