「陰謀論を小説のネタにするのは、どうも・・・」
という内容のことを、森村誠一は小説のハウツー本で語っていた。
あの「悪魔の飽食」を書いて、右翼からさんざん攻撃を受けて苦労し、
それを乗り越えた人でもそう思っているのかと、とても残念に思った。
★「氷舞」
大沢在昌著 光文社文庫 724円+税 2002.6.20.第一刷 2007.10.15.第十刷
どーしてこんなにオモロイ小説が書けるのか、いい加減に呆れてしまった。
しかもその内容は、公安とCIAの関係にまで踏み込んでいた。
森村誠一ですら、恐れ踏み込めなかった世界を描いているのだ。
某政治家とその愛人の自殺を巡って、公安の嫌がらせを受けながら
その謎を解明しようと、鮫島は奔走することになる。
新宿鮫シリーズは、警察内部の力関係の描写に長けていて。
内部情報に詳しいあの二階堂の兄貴が読んでも、十分に満足して頂ける内容ではないだろうか。
今回ミソなのは、二階堂の兄貴が大好きな(?)神奈川県警が重要なキーを握っている点だ。
実際に異なるかもしれないと思ったのは、
神奈川県警の中での立場にもよるだろうが、
ネット陰謀論系の内容から察するに、
概ね米国寄りに傾いている組織が神奈川県警なのではなかろうか
という点だ。
「氷舞」のように、ホントウに活躍していたとしたら、
目から鱗な話なんだけどw
あーでもオイラに絡んだ事件のことを思うと、
神奈川県警の中にも、鮫島みたいな刑事や警察官がいるのはホントウなんだよ。
内部での立場によって、それぞれの動機は異なっているってことなんだろう。
そういうことが、「氷舞」にも存分に描かれているんだ。
湘南台駅前には、有料駐車場がたくさんある。
その中でオイラの利用した駐車場、どうも料金詐欺をやっていたんだ。
すぐに藤沢北警察に電話して相談すると、「生活安全課」という部署に繋がった。
この「生活安全課」というのは、鮫島も属している課と今では同じだと、解説で知った。
すぐに解決されて、詐欺はなくなったんだ。
オイラはこの「生活安全課」が、大好きになった。