190年ぶり「花咲かじいさん」復活 きょうから「神田祭」

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復元した「花咲かじいさん」の曳き物に乗る清水権宮司(左)と木下教授=東京都足立区舎人で






 神田神社(東京都千代田区外神田)で九日、四年ぶりの神田祭がいよいよ始まる。「天下祭」と呼ばれた江戸の祭礼の復元に取り組む神田神社は今年、当時の曳(ひ)き物「花咲かじいさん」を約百九十年ぶりに復活。十一日の神幸祭で、日本橋から神社まで四時間かけて練り歩く。

 江戸時代の神田祭は山車が主流で、山車とともに「附(つ)け祭」と呼ばれる行列が町中を練り歩いた。その一つが、巨大な張りぼての曳き物や仮装した人々。昔話や御伽草子(おとぎぞうし)の世界を再現した華やかな練り物だった。

 江戸時代の絵巻物などを参考にして二〇〇五年、災害を鎮めるとされる「大鯰(おおなまず)と要石」の曳き物を初めて復活。四作目となる今回は「花咲かじいさん」を作った。「東日本大震災の被災地に、悲しみを乗り越え花を咲かせてほしい」(清水祥彦権宮司)との願いを込める。

 足立区のバルーン製造会社に依頼し、幅二メートル、長さ四メートルの台車の上に、枯れ木や満開の桜を配した曳き物を制作。おじいさんがまく灰の代わりに、スモークが噴出する仕掛けだ。

 復元に協力した文化資源学会(事務局長・木下直之東京大教授)の留学生や海外の客員教授らも行列に参加し、パフォーマンスを披露する。地元中学生が台車を曳く。

 神幸祭の鳳輦(ほうれん)は、十一日午前八時に神社を出る。附け祭は午後三時、中央区立有馬小学校(日本橋蛎殻町二)をスタート。途中、神幸祭行列に加わりながら、総勢八百人にもなる練り物が神社に向かう。「花咲かじいさん」のほか、「大鯰と要石」「大江山凱陣(おおえやまがいじん)」、東京芸大生による曳き物、福島県の相馬野馬追騎馬武者行列などで、壮大な時代絵巻を演出する。

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