連休の谷間の市場は、指数は弱含みで推移しましたが、個別では底堅さを感じさせる動きもありました。円高に向かうと見た売りを、日銀の力を借りずにこの程度の下げで乗りきった、というのが私の実感です。ただ、株価上昇には、円安の助けがないと難しいことも改めて認識されました。
国外では、アメリカのFOMCでの緩和が長期化し、中国やヨーロッパでの景気減速がより鮮明となってきました。日本市場では、個人の市場復帰など需給面に変化が現れ、企業業績、新興市場の動向などに注目が行きそうです。久しぶりに市場が日本人の手に移ってきました。
今日は、古い日記の第4回目。不確定要素をどう判断すればいいのか、最近の日記で未発表のものをどうぞ。
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悪夢の再現- どこまで想定するか(2013年4月16日)
4月16日早朝、CNBCの番組で、ボストンマラソンのゴール付近で爆発があり、2名死亡、十数人が負傷との臨時ニュースが流れました。この日のニューヨーク相場は、中国の予想外のGDP発表で大幅に下げていましたが、このニュースでさらに下げ幅を広げ終了しました。
朝の「モーニングサテライト」では、ボストン市内でも同様の爆発が起こり、起爆装置なども見つかったと報じていますので、テロの可能性が高まってきました。
これまでの報道から、連想が広がります。
1.日本市場では、円買いドル売りとなって、株式も大幅に下がる。
2.テロの場合、相手国はどこだろうか。
アルカイーダの場合、イランが標的となり、イスラエルが行動を起こす
北朝鮮の場合、現体制への報復が現実のものとなる
3.テロ原因国が、特定できない場合には、アメリカの標的は北朝鮮に向かう。
朝鮮半島では、南北戦争が再び起こる可能性が出てきた
そのとき日本への影響は?
4.原爆を伴った戦争が起こる可能性が現実のものとなる。
5.日本の体制はどうなる。
自衛戦争が現実的となり、憲法改正など自民党政権の基盤が強化される
平和を前提としていた繁栄の終了。社会意識が大きく変わる
産業構造の変化が起こる。IT型から重厚長大型に
韓国のように海外逃避が起こるか
景気は?オリンピック招致への影響は?
連想は更に広がりますが、悪夢はどこまで再現されるのでしょうか。
被害を受けたアメリカ人の心境は、われわれの受けるよりも、もっと鮮烈に受け止めていると思います。アメリカは、テロに対して過剰なまでの反撃を加えます。これが世界平和と資本主義を維持する最良の手段だと信じているからです。恐らくテロ国家に対して、目に見える攻撃を加えるでしょう。
弱腰だと叩かれているオバマ政権としては、なんらかの行動を起こさざるをえなくなります。その際の標的が北朝鮮だったら。いよいよ朝鮮半島で南北戦争が現実のものとなってきました……。
ところが、この日の日本市場の反応は、意外なほど静かです。朝方270円ほどの下げを記録しましたが、13,000円を割ることもなく、前引けは140円安です。為替は逆に円安に向かっています。日銀が後場大量に買うといううわさも下値を支えたようです。
どうも、私の想定と市場の受け取り方は違っているようです。
私は、戦争とか天災などの最悪の事態を想定し備えることは、株式投資にとっては無意味だという立場を取っています。ですが、ここまで可能性が増してくると、最悪の場合も現実のものになってきそうです。
朝鮮半島有事の可能性は? 日本への影響は? 誰もわかりません。
100%起こるなら、日本株はすべて売却し、ドルを持って海外移住も考えられますが、そんなことまでして生きていたくもありません。結局、最悪の事態を想定するのはやめて、のんびり株をやることにしました。