はるるっぴさんのブログ

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欧州債務危機と主役の登場

素人のひとりごと日記です。
(すべて正しくは専門家へ)

 

先日、電車が大幅に遅れたため、タクシーに乗った。
せっかくタクシーに乗ったので景気のことを聞くと

 

「良くありませんねぇ~」と言う

 

昔は、製薬会社、マスコミ関係の人、そして企業のタクシーチケットを使って
タクシーを利用してくれる人がいたのが、今は随分減ったとか
(この話はタクシー運転者さんから何度となく聞いたことがある)

 

アベノミクスについて

 

「アベノミクスで景気が良くなると言った話も聞くけど
 われわれにとってはあまり関係ないですねぇ・・・」

 

「けど、アベノミクスで景気が良くなると言ってくれると気分だけでも明るくなるから
 いいと思いますよ。気分も暗くなったら、もっとタクシーは使ってもらえませんから」

 

「テレビやラジオなどで偉い人が景気良くなると言ってくれた方がいいですねぇ~」

 

とのこと。

 

なるほどと思った。

 

・・・

 

さて欧州債務危機

 

日本は異次元緩和などで「白い(白川)日銀」から「黒い(黒田)日銀」に変わり
債券市場が不安定になっている。


(今週号の日経ヴェリタス 巻頭特集:市場に異次元のひずみ 国債蒸発)

 

その間、アメリカは財政の崖問題(将来、米国債は再び格下げされるリスクがある)が近づき
良くない米国経済指標の発表もあり、FRBの金融緩和政策を早期に終了させることの
(アナウンスされることはあるが、実行されない)難しさも表面化している。

 

出口戦略の難しさのひとつに証券化商品の複雑さと
証券化商品の工場タックスヘイブンの問題もある。

 

Tax Havenのことがわからないと金融の世界で何が起きているのか
まったくわからない。

 

その他、世界にはあまりにも問題が多い。

 

ここでは、欧州債務危機

 

ユーロの問題を理解するのに宗教について少し理解する必要があるかもしれない。
(わたしも全くの素人なので、学校の教科書を少し参考にする)

 

ある世界を旅することの好きな
生徒たちに人気のある世界史の先生がいらっしゃる。

 

その先生の言葉
(生徒から聞いたので、内容が多少違うかもしれない。)

 

「世界では宗教のことがわからないとバカにされるよ~」

 

「宗教改革でのプロテスタントとカトリックの対立は、今の経済に繋がっている」

「プロテスタントは、神様がお金を稼ぐことは良いことと言っている」

 

「カトリックは、教会に行くことが大切になっている。願えばなんとかなると考えている」
「プロテスタントの方が、今は経済が良い」

 

・・・

 

世界の宗教人口の

 

キリスト教 33.4%
イスラム教 22.2%
ヒンズー教 13.5%

 

仏教は比較的少なく 5.7%

 

金融の世界では重要な
ユダヤ教 0.2%

 

資料*百科事典「ブリタニカ」年鑑2009年版より
(ひとつの目安にすぎません)

 

ある人生の先輩に教えてもらった言葉が印象に残っている。

 

「人間いきつくところは宗教だよ」

 

日本人は特殊な民族で宗教に対する意識が低い。
(もちろん熱心な人もいる。)

 

その宗教のことを理解しないと
世界(イランとイスラエルの問題も含む)やユーロ圏で起きていることが
なかなか理解できない。ユーロの問題は、宗教のキリスト教の宗派対立の一面もある。

 

たとえば、ドイツ、オランダ、フィンランドはプロテスタントが多い
PIIGS諸国(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)は
カトリックが多い。ギリシャはギリシャ正教会。

 

フランスは、カトリック教徒が多い。
(パリのノートルダム大聖堂は見たことありますがとても綺麗です。)

 

プロテスタントの多いドイツ人は、日本人と似ていて勤勉と聞く。

実際そうだと思う。

 

カトリックは、どちらかと言うと日常生活に厳しくない。
プロテスタントは、どちらかと言うと日常生活に厳しい。

 

(参考:宗教改革の中心人物となったことでプロテスタント教会の源流をつくった
 マルティン・ルターの宗教改革など。年号で言えば1517年)

 

16世紀はじめのヨーロッパでは、キリスト教会の腐敗をただそうとする宗教家によって、宗教改革が始まりました。ドイツのルターたちは従来のカトリック教会の外で改革を進めましたが、これに対してカトリック教会の立て直しをめざす動きもありました。その中心となったイエズス会は、アジアやアメリカ大陸にも宣教師を送り、信仰を広めようとしました。(歴史の教科書より引用)

 

(教科書には、ローマ教皇の破門書を焼くルターの版画が掲載されている)

 

ここからイエズス会の宣教師
フランシスコ・ザビエル来日へ(1547年)につながる。

 

・・・

 

カトリックとプロテスタントは同じキリスト教でも
宗派が違うので倫理観も違う。

 

倫理観の違う人々が、巨大な地域圏で
同じ通貨を使うことに無理があった。

 

キリスト教の宗派対立を理解することは
ユーロ圏の問題を理解するひとつのヒントになると思う。

 

もうひとつ、そもそもどうしてユーロが導入されたのか。
導入されるきっかけとなる歴史的なことを振り返る。

 

世界史の教科書にある1989年11月9日東西ドイツのベルリンの壁崩壊になる。

 

1989年11月、冷戦の象徴だった「ベルリンの壁」が開放され、多くの東西ベルリンの
市民が集まって、喜びを分かち合いました(歴史の教科書より引用)

 

ベルリンの壁崩壊の1週間前に重要な秘密合意があった。
(これは重要なので教科書に載っていない)

 

1989年11月2日

 

当時のフランスのミッテラン大統領と西ドイツのコール首相との合意

 

ドイツは当時、念願だった東西ドイツ統一のチャンスだった。
フランスは、東西ドイツ統一によってドイツが強国になることに対する懸念もあり
ドイツ東西統一に反対の立場だった。
金融の世界で強いブンデスバンク(ドイツ連邦銀行)に対する屈辱もあった。

 

そこで両首脳が話し合い、フランス側より東西ドイツ統一を認める条件として
ドイツマルクを捨てて統一通貨をつくるといった条件が示された。
(くわしくは歴史学者へ)

 

ドイツは東西ドイツ統合の見返りとして、マルクを捨てて
欧州連合の一員となることを約束する。

 

1週間後のベルリンの壁崩壊は
学者やマスコミ向けのセレモニーにすぎない。

 

その後、1992年のマーストリヒト条約による欧州連合発足と歴史はつながる。

 

1999年 単一通貨ユーロ導入(銀行間)
2002年 ユーロの市場流通

 

(当時、今日に見られる統一通貨ユーロの矛盾を早くから認識していた
 ドイツのインテリ層はユーロ導入には反対だった。)

 

その後、10年以上経過し経済情勢が当時と全く異なる状況になって
大きく変化しているのにユーロ圏の固定相場制は続いており
この点も大きな問題になっている。
(欧州債務危機が連鎖する構造的な問題)

 

ユーロ導入の中心となった国は、その出発点を振り返ってみても
やはり今でもユーロの中核国ドイツとフランスになる。

 

その主役の主要国フランスの経済減速が顕著になってきている。
歴史的、地理的そして金融面でも繋がりのある南欧諸国が
巨額の国家債務に苦悩している。

 

日本人にイメージしやすい自動車産業ひとつをとっても
フランスの自動車メーカーの欧州向け割合は
ドイツの欧州向け割合よりもその割合は高い。

 

フランスは、実体経済面でも欧州経済リセッションの影響を受けやすい。

 

雇用面の失業率も上昇傾向があり(スペインと同じく若年層の失業者が多い)
雇用も改善していない。


高い税金(含む付加価値税)と社会保障の負担も重く、さらに景気の後退により
家計の実質的な可処分所得は低下している。

 

日経新聞にもたびたび登場する
著名な貴金属の専門家の話によると

 

「ここにきてフランスの落ち込みがすごい」
「フランス自体が落ち込んでいるので要注意」

 

と警鐘されている。

 

タクシーの運転手さんのお話にあったように
消費マインドを冷やさないようにアベノミクスで景気がよくなると言う
専門家も必要だと思います。

 

しかし、長期投資家は専門家の意見に惑わされることなく
世界経済の状況を客観的かつ冷静に把握することが必要だと思う。
(短期志向の方は、世界的な金融緩和の動向とか需給動向なども注視されていると思う。)

 

おすすめの本

 

「マネーの正体」

 

吉田 繁治氏

 

以前ご紹介した「国家破産」よりもタイトル名がやさしい感じ。


内容は重なっているところもありますが、金融の基礎的なことを理解するために
役立つ良書だと思う。


ケインズの愛弟子で

20世紀最大の経済学者の1人でケンブリッジ学派の形を作り上げ
ポストケインズ派の指導者でもあった

 

ジョーン・ロビンソン(イギリスの女性経済学者)の言葉より

 

「経済学を学ぶ目的は、経済学者にだまされないためである」

 

Joan Violet Robinson

 


 

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