サーベラス問題、、果たしてサーベラスは悪で、西武の『現在の経営陣』が正しいのでしょうか?
ここまでの報道で、西武の『現在の経営陣』が単純に正しいと思う方は、経済音痴か、甘ったれた人間か、どちらかかも知れません。
なぜなら、、、、
● 西武は民間企業である。
● 不採算路線の継続は、労働に対する報酬が十分払われないのと同じ。 不採算路線継続要望は、西武という企業に対する搾取。 不採算路線継続を要望するならば、地元自治体が応分の負担を負うべき。 それがなければ撤退は当然。 公益は企業が担うべきなく、『その利益を受ける』納税者、つまり地元住民たちが『主に』負担すべきこと。
● 上記同様に西武球団も赤字や低採算ならば活動中止、もしくは、より良い経営を続ける自信のあるところに売却すべき。 売却しても球団がなくなるわけでない。 より良い経営者が球団所有するならば、それはファンにも選手にも望ましい。 西武が保有し続けねばいけない理由は皆無である。
● 上記二点でサーベラスを批判する方は、現経営陣の情報操作にやられているかも。 ここまでのマスコミへの漏れ方、報道のされ方からすると、胡散臭いのはサーベラスよりも『現経営陣』のほう。
● 西武の経営者、従業員は日々の労働の報酬を、日々の賃金で得ている。 西武は彼らに借りはない。 それなのに、経営者や従業員が西武の所有者のように振る舞うのは明らかにおかしい。
● 年功序列賃金は賃金の後払い制度である。 若い従業員には西武は借りがある。 しかし、後払い分を支払えば済む話であり、若い従業員も西武の所有者ではない。
● 西武が大きな借りを負うのは、西武に資産を提供している投資家(株主)である。 投資家だけが、西武の経営リスクを一身に負っている。 何故なら、彼らの報酬は、従業員・経営者報酬を払った後に支払われ、企業業績が悪ければ逆にむしり取られるからである(株価下落、資産価値下落)。
● しかも、投資資産は投資家個々の過去何十年もの労働・リスクの蓄積であり、タダで得たお金ではない。 あぶく銭ではない(あぶく銭に当たるのは、たかり有権者や利権政治家や悪徳官僚が税金から盗んだお金、、、例えば、不採算路線継続を、身銭を切らずに、おねだりするような住民は一種のたかり有権者)。
● 株主、投資家こそが、西武の所有者。 西武の純資産も全て株主が出した資金から出来ている。 創業経営者ならば、もの凄いリスクを負い、きちがいじみた重労働をしてきた報酬として自社株を沢山持つから、当然、企業所有者だが、それ以降のサラリーマン経営者は企業所有者であるわけはなく、単なる雇われ人に過ぎない。 しかし、何故か日本では所有者面する勘違い経営者が多く、そういう経営者に限って無能である。
● 投資家資産を一身に引き受けているのがサーベラスなど投資ファンド。 投資家の過去の労働・リスクの蓄積たる投資家資産を引き受けているのだから、ファンドの責任は重大である。 ファンドが投資収益確保に必死になるのは当然である。 投資資金に対する報酬獲得に必死になるのは当然なのです。 投資ファンドや株主は、日々の労働報酬を日々の賃金で『確実に』得られる労働者、サラリーマン経営者のようにお気楽になれるわけがない。
● 投資収益を十分あげてくれない経営者に、株主、投資ファンドが改善要求、更迭要求するのは当然。 それを横暴と思うのは、経済音痴か、世間知らずの甘えゆえか、もしくはギブ&テイクを無視する悪党だからである(最近のお役所は、そのどれにも当てはまりそうな向きが多い)。
● 株主、投資家の利益は全て企業価値に由来し、企業価値は企業業績により高まる。 で、企業業績(企業利益)は、『より良い製品・サービスをより安く(=効率的に)、社会に提供する社会貢献』により上がっていく。 つまり、株主・投資家の投資収益増大要求は、企業経営者・従業員に対する社会貢献増大要求と同義である。 これは、怠け者の従業員やサラリーマン経営者にはうざいことだが、社会全体を向上させるには非常に重要なことである。
● 同時に株主、投資家は、企業の社会貢献に対し、応分の対価を払わない顧客は相手にするな、という要求もする。 不採算路線からの撤収もその一種。 これは社会に甘え、たかりが蔓延するのを防ぐ効果があり、社会全体を向上させるのにやはり重要。
● 米国ファンド、短期ファンドという差別や恣意的政策運営は止めたほうが良い。 そんなことをすれば、リスク資金の出し手はいなくなる。 ギブ&テイクは守られるべき。 そうでなければ、苦しむのは経営者・従業員。 経営資金がほとんどなくなるのだから。
● 短期ファンド(ハゲタカファンド)は中長期ファンドが入ってくるような、有望企業には入って来れない。 そこでは主役になれない。 そういう短期ファンド(ハゲタカ)にとりつかれるのは、歴代の経営陣が無能だから。 自業自得である。
● 短期ファンド(ハゲタカ)はダメダメ企業を早期解体し、その社会損失を最小化する。 だらだらと債務を膨張させ、多くの債権者(=銀行・国=銀行預金者・納税者)に迷惑をかけ、挙げ句は借金棒引きで倒産、、となるのを未然に防ぐ(こういうダメダメ企業の経営者、従業員が一番無責任で社会の迷惑)。
● 短期ファンドは、ダメ企業でも稼げる部門は他企業に売却する。 これによりその部門の従業員の雇用は維持されるし、ダメ部門から切り離されるので、賃金アップの芽が生まれる。 短期ファンドの解体活動により、ホントにダメなところだけ完全解体され、失業保険やら、借金棒引きなどの社会的損失は最小化される。 短期ファンド(ハゲタカ)は倒産で不幸になる人を最小化させる。 出来るヒトをダメなヒトの道連れにさせない。ダメなヒトの早期の方向転換、再起を促す。
● 短期ファンド(ハゲタカ)は中長期ファンドと役割は違うが、基本、善である。 悪なのは、ダメ企業にしてしまった経営者であり、そういう経営者を更迭しなかったアホ株主。
● アホ株主は、アホ経営者とつるんで会社をダメダメにする。
● 西武の件で、サーベラスは未だハゲタカに化けていない。 ハゲタカになったとしたら、その責任は日本の金融機関など既存株主がアホ株主だったからです。
● サーベラスの株主提案が、現経営陣の経営計画に比し、企業の中長期成長にプラス度が低ければ(例えば、食い急ぎすぎたハゲタカならば)、それは他の株主によって否決されるだけ(アホ株主だらけならばまともな提案も否決されますが、、)。 TOBも同様に、失敗するか、おそろしい高値買いになってしまうだけ(アホ株主だらけならばそうなりませんが、、、)。
● ファンドをハゲタカか否かと色分けしたり、ハゲタカ規制をかけるのは、国民益的には無意味どころか、逆効果である。 それは、後述のように、利権(税金詐取)維持には好都合だが、(上述の如く)国民益に反する行い。
● 日本のTV,新聞はダメ企業みたいなのが多く(ばかり?)、総じて、ダメダメ企業に異常肩入れした報道をする。 ギブ&テイク、社会損失という考えが極めて希薄。 彼らの論説を鵜呑みしてはいけない。 起きた『事実』だけを時系列的に見て、自分の頭で考えること。
● ダメ企業は悪徳官僚、利権政治家の資金源になりやすい。 ダメ企業は官需依存になりがちなので、そこに税金投入し、キックバックを得やすいからである(キックバックは天下りだったり、献金だったりという古典的なものから***まで多様で捕捉困難ゆえ、ダメダメ企業を無理矢理、存続させないのが国民益的にはベスト)。 役所、政治家がダメダメ企業擁護的だったら要注意。