買収を目的とした敵対的TOBはこれまで、ほとんどが失敗に終わっているようですが、西武HDに対するサーベラスのTOBは出資拡大が狙いのため、成功のハードルは低いようです。
買収目的の敵対的TOBが不成立に終わるケースが多いのは、事前に設定した下限に応募数が届かない場合、買い付け自体をしないことが多いためのようです。
平成18年に王子製紙(現王子HD)が北越製紙(現北越紀州製紙)に対して実施した敵対的TOBでは、他の製紙大手が北越株を取得したことなどにより、応募が買い付け予定株数に足りなかったそうです。
一方、今回の案件でサーベラスは下限を設定していないため、目標の36.4%に届かなくても、少しでも応募があればTOBは「成立」し、保有割合が上がることになります。
米投資ファンドが平成18年、通信機器商社のサンテレホンに対して実施した敵対的TOBでは、出資拡大を果たしているそうです。
ただ、TOBが成功しても「勝負あった」とならないのが今回のケースで、サーベラスがTOBで買い増しに成功しても、会社側に要求を認めさせるには、株主提案の可決など“次の一手”が必要になるようです。
さて、どうなりますかね。
3861:357円、 3865:495円