都立桜ケ丘公園で「宇宙桜」の苗木を植樹する関係者=東京都多摩市で

宇宙飛行士の若田光一さんと宇宙を旅した「宇宙(そら)桜」の苗木四種が三日、東京都多摩市連光寺の都立桜ケ丘公園に植樹された。多摩商工会議所が桜の名所復活をめざして取り組む「多摩桜プロジェクト」の一環。
植樹式で同商議所の坂田忠孝会頭は「宇宙を旅した桜の命が、この地で花咲く日を見守れるのは素晴らしい。立派な大樹となって、私たちの暮らしの喜びと希望のシンボルとなることを願っている」とあいさつした。
四種は、樹齢千年ともいわれる岡山県真庭市の「醍醐桜」、国の天然記念物で日本三大桜に数えられる福島県三春町の「三春の滝桜」、高知県佐川町の「稚木(わかき)の桜」と同県仁淀川(によどがわ)町の「ひょうたん桜」。
いずれも宇宙ステーションで約八カ月半保管された後、若田さんとともに帰還した種子から発芽した苗木だ。育成する四市町が同商議所に寄贈した。
多摩丘陵は江戸時代に三百五十本の山桜が植樹され、昭和初期まで桜の名所として知られていた。