
IT大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)が、財務省前事務次官の勝栄二郎氏(62)を社長に起用する方向で調整に入ったことが二日、分かった。勝氏は、民主党政権時に消費税増税法の成立に奔走したことで知られる。昨年八月に次官を退任した後、同十一月にIIJの特別顧問に就いていた。
財務次官の経験者は、政府系金融機関のトップなどに就任する例が多く、上場IT企業の社長になるのは異例だ。創業者の鈴木幸一社長(66)は会長となり、技術面などを引き続き担う見通し。六月の株主総会とその後の取締役会で正式に決める。
IIJは、一九九三年に日本企業として国内で初めてネット接続サービスを開始した。勝氏起用の背景には、リーダーシップや幅広い人脈への期待があるとみられる。