バラの会さんのブログ
クビ切り加速 2012年1万7700人が路頭に迷った
<円高是正も効果なし>
世間は株価上昇に浮かれているが、企業のリストラの実態を知るとやるせなくなる。東京商工リサーチがまとめた「2012年上場企業の希望・早期退職募集状況」調査は、雇用環境の現実を浮き彫りにした。
昨年の募集人数は、判明分だけで1万7705人。リーマン・ショック時の2万2950人に迫る水準だ。具体的な内容が判明しないため統計から除外された募集が12年に約4万1000人(海外含む)あったという。雇用環境は最悪だ。
「大手電機メーカーの希望退職が凄まじかった。NECやシャープなどは1000人単位での退職です。今年に入ってからも、すでに10社が早期退職の募集を公表しています。昨年12月以降の円高是正で企業業績は回復傾向といわれますが、業績が悪化している企業には焼け石に水。3月の年度末に向け、早期退職の募集は増加するでしょう」(東京商工リサーチ情報本部の関雅史氏)
ルネサスエレクトロニクスは5000人の募集枠に7500人近くが応募した。シャープは2000人の枠に約3000人だ。
「こうした企業の技術者は韓国メーカーなど転職先があるだけマシです。最も大変なのは工場閉鎖で路頭に迷うことになった人たちでしょう」(経済ジャーナリスト)
工場閉鎖の場合、企業は配置転換で対応するのが一般的だ。ところが九州の工場閉鎖なのに、新しい配属先は東北地方など遠方というケースが多発している。
「家族の都合などで退社を選択するサラリーマンが大勢います。これは自主都合ですから、多くの場合、割増退職金は出ません。もちろん早期退職にもカウントされません」(前出のジャーナリスト)
統計上の1万7705人は氷山の一角に過ぎないのだ。首切りの実態は、リーマン・ショック時をすでに超えている可能性が高い。
【2012年主な上場企業の希望・早期退職者数】
◇社名/募集/応募
◆ルネサスエレクトロニクス※/5,000/7,446
◆NEC※/*/2,393
◆シャープ※/2,000/2,960
◆八千代工業/*/771
◆アルバック※/700/879
◆日立電線※/600/―
◆SUMCO※/*/671
◆スズケン※/500/―
◆メガネスーパー/450/455
◆太陽誘電/330/420
◆ベスト電器/300/―
◆アイフル※/250/341
◆日本CMK※/250/303
◆芝浦メカトロニクス※/*/201
◆近鉄百貨店/200/177
◆日本アビオニクス※/200/188
◆小森コーポレーション※/200/276
◆KIホールディングス/200/188
◆東京製綱/*/161
◆日本マイクロニクス/150/214
◆中山製鋼所/130/113
◆エヌ・ピー・シー/120/163
◆ヤマナカ/100/147
◆オリンパス※/100/113
◆ローランド※/100/―
◆石井表記/80/71
◆東光/80/101
◆山一電機/80/―
◆有沢製作所/70/60
◆千代田インテグレ/70/84
◆丸文※/70/71
◆三社電機製作所※/70/83
◆安藤建設/70/87/
◆リーダー電子/70/65
※はグループ会社含む。*は募集枠設けず。―は不明(東京商工リサーチ調査)