先週金曜日の米国株式相場は上昇した(DJIA +149.21 @14,009.79, NASDAQ +36.97 @3,179.10)。ドル円相場も一時は93円台まで円安となったことを好感して、本日の日本株全般は続伸した。東証1部では、上昇銘柄数が1,029に対して、下落銘柄数は549となった。騰落レシオは147.73%へ上昇した。東証1部の売買代金は2兆3399億円、これで3日連続で2兆円台の活況を続けている。また、数ヶ月前までは極度の業績悪化から株価が非常に低迷を続けていたパナソニック、シャープ、SONYが急騰したことは相場の潮目の大きな変化を象徴しているようだった。
TOPIXも日経平均も続伸した。多くの相場参加者が上げ過ぎを危惧している中、上げ続けている。しかし、今回の上昇は下げすぎていた相場が本来あるべき水準まで戻ってきたと見ることもできる。株主の期待収益率(株主が配当と値上がり益の両方で年率何%のリターンを求めているか)を5.8%(=株式リスクプレミアム5%+10年国債利回り0.8%)、日本の潜在成長率を0.75%とすると理論PERは19.8となる。PER=1/(0.058-0.0075)=19.8。本日のTOPIXのPERは19.49なので、ほぼ理論通りの水準まで株価は戻ってきた。
アベノミクスの3本の矢(①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③成長戦略)は今までのところ海外からも好意的に評価されている。③の成長戦略には規制緩和は必須だ。しかし、規制緩和(例えば、雇用、エネルギー・環境、健康・医療、農業、教育など)は既得権益の喪失を意味するので、既得権益を持っている側からは強い反対が起こるので実行するのはかなり難しいだろう。それでも規制緩和を断行して経済成長を実現してもらいたい。そうでなければ、上昇相場はそう長くは続かない。
TOPIX +13 @955
日経平均 +69円 @11,260円