冬山さんのブログ
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南極大陸が融ける?海面9mも上昇?NHKクローズアップ現代
NHKクローズアップ現代によると南極の氷は従来の予想よりはるかに溶けやすいことが判明とのこと。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3301.html
「海水面9m上昇?100年後の未来」というテロップも。
今後百年の間に海水面が急激に上昇していくかもしれないそうです。
具体的に海水面が9m上昇したら世界はどうなってしまうのか。
すでに2006年ごろには注目されていたサイトらしく、ご存知の方には今更感があるかもしれませんが
http://www.floodmap.net/
http://flood.firetree.net/
こちらのサイト、NASAのジェット推進研究所のデータ http://www2.jpl.nasa.gov/srtm/ とGooglemapを組み合わせたものらしいのです。
9m海進した世界は次のようになります。
http://flood.firetree.net/?ll=35,136&z=10&m=9
特にズームしないでも東京湾、伊勢湾、有明海が広域にわたって沈んでしまっているのがわかります。
ほかにも大阪、宮城(石巻)、新潟さらに北海道もすごいことに。
新潟などの不思議な地形を見ると現実感ないですが、現に島根の複雑な地形があることを考えるとあり得るような気がっしてきます。
実際、縄文海進、平安海進などの例を見ると過去の日本列島の海水面上昇が10m近いものであってもおかしくはないのだと思えます。
世界に目を向けると上海や天津をはじめとする沿岸主要都市、さらにベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、バングラディッシュ・・・ヨーロッパでは案の定オランダやドイツ、それにイギリス・イタリアがひどいことに。
これが実現した世界はどうなってしまうのでしょう。スーパー堤防ではなくスーパースーパー堤防が必要になるのでしょうか?もちろん9mもならないにしても平安海進で実際に起ったことが確実な2~3mの海進はかなり現実味があります。
九州の有明海の例を見ると、ものすごい堤防線が既にありますが、あれをさらに強化したものをあちこちに作ることになっていくのでしょうか。
同様に、オランダでも既に海面上昇に備えた計画があると昔ディスカバリーチャンネルであっていました。温暖化と海水面上昇で北海の嵐は現在よりさらに強力になりうるため、ライン川を河口を塞げる可動堤防計画なんかもあるんだとか。
日本やオランダのように技術と経済力があればよいのですが、新興国はどうすればいいのでしょう。
特にバングラディシュはこのままでは国土の半分ほどが水没する予測になっていますが、それをどうにかできる経済力を近いうちに持てるかというと疑問です。
すでに人口が多く、人口密度は世界トップクラスです。どうすればいいんでしょう。
近隣国と併合したり、EUのような連合になり人間の移動化を自由化できればいいのですけどね。
同様に中国沿岸部は河北~山東と、江蘇省が極めて広域に水没、ほかにも沿岸部はすくなからず危険にさらされます。沿岸を延々と守るような長大な巨大堤防線を構築することはできるでしょうか。作ったとして有事の際には手抜き工事であっさり決壊とか起こしかねないんじゃないかと思ったりします。
タイ・ベトナムはそれなりの経済力があるので対抗できるといいのですが。その場合は日本のゼネコンには重要な商機でしょうね。またタイの大洪水のようなことが起きたら困りますから。
この海水面上昇が本当に起こった世界は今思われている以上に食糧問題に影響を起こすだろうと思います。
たとえば米作。少々古い資料ですが、
http://www.maff.go.jp/j/study/suito_sakugara/01/pdf/ref_data.pdf
温暖化に伴う最近の気象変化と米生産への影響(検討会における議論) 農林水産省統計部(H19)
これを見るとコメ(ジャポニカ米)の生育は暖かすぎてもいけないんだとか。登熟期間最低気温は20℃を上回ってはいけないと。
一等米比率はH18に日本全国平均が79%、熊本は36%となっておりおそらく九州~四国などはジャポニカ米の生育に適さなくなりつつあるのでしょうか。
なるほど近世にはコメの生産力がかなり低かった東北が、今や質も量もトップクラスの米処になって行ってることも納得です(品種改良などの農業自体の近代化の影響のほうが大きいでしょうが)
しかしそのうち、西日本のコメは質が落ちたり、インディカ米になったりという世界も?
いっぽう温暖化はロシアにとってメリットが大きいでしょう。現在すでに主に中国向け輸出で大豆の栽培に力を入れているロシア沿海州ですが、
ほかにも米やブドウなどの生産も伸びているようです、穀物生産にて多くの品種でネックであろう冬季の気候が温暖化すればさらに穀物生産に向いた土地になっていくのではないかと思います。
中国はどうなるでしょうか、内陸部の開発がカギになるのではないでしょうか。
農林水産政策研究所の「中国食糧の基本的事情」
http://www.maff.go.jp/primaff/meeting/kaisai/2011/pdf/110607_2sec.pdf
これによる中国の穀物生産を見ると
11pの「主要食糧生産量の各省シェア(コメ)」のほか、p12のトウモロコシおよび小麦をみると。
農業生産も少なからず沿岸部に集中していることがわかります。
コメは 湖南13% 黒竜江10% 江西10% 湖北8% 江蘇8%...
とコメはそれなりに分散できていますが、
小麦は 河南26% 山東18% 河北11% 河北11%
トウモロコシ 吉林13% 山東12% 河南10% 黒竜江10% 河北9%
大豆はわかりません(なぜかこのレポートでは大豆が軽視されている)
先ほどの水没予測と重ねると・・・
いずれの作物でも少なからず影響を受けることと思います。
内陸の農業をさらに発展させるか、もしくは沿岸に長大な堤防線を築かないと深刻な食糧不足が発生しえます。
ウラジオストクはロシアで最も米消費者の比率の高い地域だそうで、現在は中国や日本からの輸入米も流通しているものの、今後はロシア自身が農業をさらに近代化させ、日本や中国に輸出するようになっていくのかもしれません。
余談ですが、今回の番組は人間による環境破壊による温暖化ではなく、長期的な気候変動によるという説に立脚していたのでよかったです。
そういえば中国で千人が住む島、蓬莱山(蓬莱島)の伝説がありますが、これは山東説や日本説など様々あるものの、
http://flood.firetree.net/?ll=38,121&z=9&m=13
この13m海水面が上昇したら山東半島は完全に島になりますひょっとして蓬莱がどこだかわからなくなったのは島じゃなくなったからだったりして・・・
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コメント有難うございます!
平均したらたしかに9cmですね。毎年そのペースなら予測も立つからいいのですが、最悪の場合はまさに堰を切ったようにある年に数十センチあがったりとかするんでしょうね。恐ろしい話です。。