大学に通い始めて東京に行く機会が増えたせいか、東京での頼まれ事が増えた。
その一例がこれだ。
知り合いから頼まれて友人の息子さんに逢いに行くのだ。しかし、少し憂鬱であった。
新宿2丁目といえば、○○のたまり場である。
私は、そのケがないので、お願いされてもかなりの躊躇があった。
しかし、自分が窮地な時に大変世話になった方の頼みだったのでどうしても断れなかった。（以前なんでも屋をやっていたので頼み易かったのかな？）
さずがに一人では行きにくかったので、東京の友人に同行してもらった。
仕事が終えた友人と軽く夕食を食べて、彼が勤めているというバーを探した。
割と簡単に見つける事ができたが、戸惑っている自分を友人が後押しをする。
さすがに興信所を経営している奴だけに度胸がある、場慣れしている。
店に入ると、ドスの利いたお決まりのご挨拶が迎える。化け物みたいなママさんが寄ってくる。
ちょっと吐き気が。
無視して店を見渡すと、彼がいました、変わり果てた姿とは言いわないけれどやはり違和感があった。
彼もすぐに自分が誰か分かったようだ。
「久しぶりだな。元気だったか？」かれこれ8年は経っているだろうか。
俯くように「お久しぶりです。」小さな声で答えた。
彼と話をしている間、友人が店のママさんと話を付けてくれた。手慣れているものだ。
私は彼に両親が君の事を心配している。母親は逢いたいと思っているが、まだ父親が躊躇している。
もし逢ってくれるなら、もう少し時間がほしい。と伝えた。
私の突然の来訪で彼も動揺していたが、次第に落ち着いて、私たちが店を出る時には
まだ親とのコンタクトは無理だが、心配しないで欲しい、元気でやっているからと両親に伝えて欲しいとお願いされました。
いつものバーではめずらしく友人があまり喋らない。たぶん自分のの息子の事を考えているんだろう。
彼の職業柄人間の影ばかりみていると、つい有らぬことが頭に浮かんでしまうのだろうか。
今、すこし後悔している、彼に頼ってしまった事を。
こんばんは！
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