と言っても、私は下っ端なので、お茶とお菓子を頂くだけのお気楽な身分
さすがに全員茶道をやっていることもあって、
大半が振袖や訪問着を着てくるんだけれど、
洋装の人は毎年1割程度いる。
私も習い始めの頃は、普段会社に来ていく時の服装で参加、
「初釜は正装で行くもの。普段着で行くとは、恥知らずや。」
と母親から呆れられていたけれど、
「私は分をわきまえているから、いいんです。」
と堂々と反論していた
先生も、「できたら、着物で来てほしい。」と言う感じで、
絶対に着物、という訳ではなく、
初釜に洋服で行っても、居心地の悪い思いをすることはなかった。
でも、20歳の貧乏はまだまだ夢も希望もあるけれど、
私の年齢になっての貧乏はユメもキボーもない、
と実感するようになってからは、
「それなりの装い」で茶事に行くことにしている
私が今の教室で茶道を始めた頃、
挨拶の内容が素晴らしい女の子がいた。
年は当時25歳くらいで、話の内容から察するに、仕事は社長秘書?と思った。
私はと言えば、「先生、こんにちは。本日もお稽古、よろしくお願いします。」
と電報みたいな素っ気無い挨拶しか出来ないけれど、
彼女は四季折々のご挨拶から仕事の報告まで、
毎週聞き惚れる内容を話し、
私はそれを聞きたいが故に、
彼女より少し早い目にお稽古に行くことにしていた
仕事の都合で、かつての曜日と同じ時間にお稽古に行けなくなってから、
いつの間にか彼女を見かけることはなくなったけれど、
私の教室にはお手前の上手な人も多いし、
かなり上の先生でも謙虚で人柄が優れている人、
習い始めて日が浅くとも、こちらがはっとさせられる様に気が利く人、
といろんな面でお手本になる人が多く感じる
利害関係がないから、大らかに人を見れるだけではなさそう。
茶道って不思議だな、とつくづく思う