PSS、Rocheと次世代シーケンサー向け全自動前処理装置の開発契約を締結
プレシジョン・システム・サイエンス株式会社(以下、PSS)とRocheは、Rocheの次世代シーケンサー向けに全自動エマルジョンPCR装置の開発、製造に関する独占契約を締結いたしました。
この契約はRocheの次世代シーケンサーであるGS Junior及びGS FLX+ また、Rocheが現在開発中の次世代シーケンサーをサポートすることを目的にしています。
シーケンサー解析を行うにあたって必要な前処理工程は、時間のかかる複雑な手作業に依存する状況にあります。今回、開発される新装置は、エマルジョンPCRの全処理工程の自動化を実現し、シーケンサー前処理をシンプルなものにすることで、人手を要する作業時間をこれまでの数時間から数分間へと大きく軽減するものです。
Roche Applied Science 部門のトップであるダン・ザブロウスキ氏は「この提携はシーケンサーのユーザーが抱える主要な課題の一つに取り組むことを主眼にしたものです」と語っています。「自動化による解決策は研究室内の作業工程を効率化するだけでなく、人の作業関与を排除することで、得られた結果の再現性を高めるものです。この開発にあたっては昨年来、大きな進展があり、今後のPSSとの作業に大きな期待をしています。というのも、PSSは、全自動化ソリューションの開発において卓越した技術・知見を提供することができ、またすぐれた実績を誇っているからです。」
PSSの田島秀二社長は、次のように述べています。「全自動DNA抽出システムで培われたPSS とRocheの長年にわたる信頼関係が、最先端のシーケンサー領域に拡大されることに大きな興奮と喜びを感じています。シーケンサーのサンプル処理工程は非常に複雑で高度の熟練を要するため、この技術の普及を阻害しています。PSS とRocheの技術の結合により、自動化装置を開発し、この障害を克服することで、先端的なシーケンサー技術の汎用化に道を拓けるものと信じています。」
今回の合意は、PSS とRocheの長期間にわたる相互関係の上に成立しています。両社のDNA自動抽出システムでのコラボレーションは、15年前に遡ることができ、このパートナーシップは核酸精製用製品の開発、マーケティングにおいて大きな成功を収めています。
【Roche社 会社概要】
スイスのバーゼルに本拠を置くロッシュは、リサーチに重点を置くヘルスケア事業での世界的リーダー企業であり、製薬と診断部門を併せ持つ強みがあります。ロッシュは、腫瘍学、ウイルス学、炎症、メタボリズムおよびCNS(中枢神経系)において真に差別化できる薬をもつ世界最大のバイオテク企業です。また、ロッシュは、体外診断、細胞組織ベースのがん診断におけるリーダーであり、糖尿病管理におけるパイオニアでもあります。ロッシュの個別化医療戦略は、患者の健康、生活の質および患者の生存に対して明確な改善を可能にする薬および診断ツールの提供をめざすものです。2011年において、ロッシュは世界中で、8万人以上を雇用し、研究開発に対し80億スイス・フラン以上を投資しています。グループの売上高は、425億スイス・フランに達しています。米国のGenentechはロッシュが完全保有するロッシュ・グループの企業です。日本では中外製薬の過半数株式を保有しています。