彼女と一緒に若いあんちゃんがやって来た。どうも彼氏らしい。
事前に連れてくると言われていたが、わざと「アレー、だれなの、彼氏?」とからかう。
「言ったじゃあない。紹介するよ。○○君。」とちょっと膨らんだ頬をして紹介される。
「○○です。はじめて初めてお目にかかります。」さわやかに挨拶されましたよ。別に逢いたくなかったけれど。
そうこうするうちに、元嫁、とその姪っ子の母親Sが合流する。
もう、○○君は女性2人とはお知り合いみたいで4人で楽しそうに話している。
私は空気になっている。
レストランに行っても4人が楽しそうに喋っている。自分は居ても居なくてもどうでもいい人間みたい。
さずがにここにきて、彼氏は自分に気を使って、こちらに振ろうとするが
3人が話を変えてしまう。4人で食事をしても(元妻、S、M、私)彼女達が喋るだけのことが多いが。
しかし、今回はちょっときつい。それを察してくれない3人にイラっと来た。
食事をしながらも、彼氏は気になるらしくチラチラこちらを見ている。
もしかしたら、あいつ、良いヤツかも。
しかし、3人はまったく気づいていない。それより生返事をする彼氏を責める姪っ子M。
自分の携帯に電話が。助かった。友人からだ。
席を立ち、すぐに行くと答えて食卓にもどる。
「すまない。友人から至急の用事が入った。行かなければならないので失敬する。」
「○○君、今度時間があったら呑みに行きましょう。」
「どうしてー、これからなのにー。」とM。
「ごめん、4人で楽しんでくれ。」と詫びてレストランを出る。
我ながら子供じみた事をしたものだ、友人と会うにはまだ時間があるのだが。
どうにも居たたまれなかった。
それにして彼氏には悪い事をしてしまった、それなりに気にしてくれたのに。
今度吞む機会があったら、うまい酒をご馳走しよう。
その後、何度か着信が鳴った。しかし出る気にはなれない。