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りくりゅリクルート上場

事件株の元祖だなリクルートがいよいよ株式上場に踏み切る。人材派遣の国内最大手、リクルート(東京都港区)の峰岸真澄社長(48)は、6月下旬に開催した株主総会で「数年内に株式公開を目指す」方針を打ち出した。リクルートは株式上場に備えて、10月1日付けでリクルートホールディングスに社名を変更し持ち株会社制に移行する。  リクルートは大勝負に出た。2011年12月30日、米人材派遣会社、アドバンテージ・リソーシングとそのグループ会社(欧州を中心に香港、シンガポール等に拠点を持つ)を4.1億ドル(約320億円=1ドル78円で換算)で買収した。10年の医療ヘルスケアのCSI、11年10月の軽作業のスタッフマークに続き、米国の人材派遣会社を買収するのは3例目となる。 この買収によって、リクルートはスイスのアデコ(10年の売上高240億ドル)、オランダのランスタッド・ホールディング(同209億ドル)、アメリカのマンパワーグループ(同188億ドル)に続き、世界第4位の人材派遣会社に躍り出た。買収した欧米の人材派遣会社を加えると、リクルートグループの同事業11年3月期の売上高は、約70億ドル(約5500億円)となった。同期の売上高に相当する連結営業収益は7526億円。人材派遣部門の売り上げは全体の73%に達しており、比重の大きさがわかろうというものだ。 長期目標は人材派遣事業で世界のベスト3に入ること。しかし、3強とは売上高で100億ドル以上の差がある。国内では人材派遣会社の身売り案件が増えているが、リクルートの目は海外に向いている。 4月1日、リクルートは柏木斉氏から峰岸真澄氏に社長が交代。峰岸新社長に与えられたミッション(使命)は、世界の3強との差を縮めることだ。これにはさらなるM&A(合併・買収)が必要不可欠となる。5月に発表した中期目標では5~6年後にM&Aを中心に事業の拡大を図り、売上高の海外比率を現在の20%から50%に引き上げる。 アドバンテージ・リソーシングなどの大型の買収効果で、13年3月期の連結営業収益は前期比26%増の1兆200億円(12年3月期は8066億円)と4期ぶりに1兆円を超える見通しだ。http://biz-journal.jp/2012/07/post_376_2.html今後、欧米の人材派遣会社のM&Aを進めるには資金が要る。これまでリクルートは銀行からの借り入れに頼ってきたが、資金調達手段を多様化する狙いから株式上場の方針を固めたわけだ。  リクルートが株式公開を目指すのは今回が初めてではない。ダイエーからリクルート株式を買い戻した00年前後に、株式公開の準備を進めていた。リクルートは、「東大が生んだ戦後最大の起業家」といわれた江副浩正氏によって60年、大学生向けの就職情報誌を発行する会社として出発した。88年にはグループのリクルートコスモスの未公開株をめぐる贈収賄事件、いわゆるリクルート事件が起こった。経営の第一線から退いた江副氏は保有していたリクルート株式をダイエー創業者の中内㓛氏に譲渡し、リクルートはダイエーの傘下に入った。 しかし、ダイエーの経営は悪化。有利子負債を圧縮するため、保有していたリクルート株式の売却問題が浮上した。ダイエーは当初、保有する株式すべてを第三者に売却する考えだった。リクルートは同社の同意がなければ第三者に売却できない「譲渡制限」条項を盾に抵抗し、株の買い戻しを逆提案した。 00年2月、ダイエーグループが保有する発行済み株式35.2%のうち、25.2%をリクルート側が約1000億円で買い戻すことで決着した。1株当たり6000円という売却価格は、ダイエーが外部に依頼した評価額と大差なかった。ダイエー側は05年、残りの10%を農林中央金庫などに売却して、同社の経営から撤退した。 リクルートはダイエーを安定株主として3~5年後の株式公開を準備していたが、この件でダイエーが撤退。自社株を買い戻したことから、株式公開作戦の見直しを迫られた。そこで安定株主作りの一環として01年5月、東京電力と、日本興業銀行(現・みずほコーポレート銀行)、三井住友銀行、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)の主力3行に、買い戻した株式の一部を譲渡した。 ダイエーの撤退後、筆頭株主になったのはリクルート社員持株会である。会社の規定では、社員は持株会との間で自由に持ち株を売買できることになっている。そのため持株会の保有比率は大きく変動する。08年3月期には20.8%だった。 11年3月末現在の株主構成でみると、同社社員持株会が13.89%で筆頭株主。以下、大日本印刷と凸版印刷が各5.32%、東京電力、三井物産、電通がそれぞれ4.99%、農林中央金庫4.16%と続く。社員持株会がダントツの筆頭株主だということに変わりはない。このことがリクルートが上場に消極的だった理由といわれてきた。上場すると、社員が持っている株式の価値が上昇する。持ち株を売却すれば多額の現金が手に入る。売却しなくても巨額の含み資産を手に入れることになる。「社員に株を持たせて上場した会社がどこでも経験することだが、株を持っている社員と持っていない社員との関係がうまくいかなくなる。社員持株会が大量の株式を保有している会社の上場が、いい結果をもたらすとは限らない」(証券アナリスト) ITバブル華やかなりしころ、ネットベンチャーが上場し、20代、30代の若い億万長者が次々と誕生した。それらベンチャーがどうなったかというと、倒産したり、買収されたりして、あらかた消えていった。持ちなれない大金を手にしたため、創業者だけでなく役員や幹部社員がハングリー精神を失ってしまったのが原因という分析もある。 営業利益率14.2%と優良企業のリクルートが上場すれば、時価総額1兆円は固い。仮に1兆円なら「個人その他」は3700億円超の資産を持つことになり、社員持株会に出資している社員から億万長者が、たくさん出ることになる。
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