貿易赤字を囃し立てて株高となるのは奇妙な話

優利加さん
優利加さん

昨日の米国株は前日比ほぼ変わらずであった(DJIA  -7.45 @12,788.15, NASDAQ +0.61 @2,916.88)。 しかし、本日の日本株全般は上げた。東証1部では、上昇銘柄数が1,026に対して、下落銘柄数は491となった。騰落レシオは106.60%。東証1部の売買代金は1兆1101億円。

本日の上げの主な要因として挙げられるのは円安だった。ドル円相場は82円台直前まで円安となった。円安の理由が10月の貿易統計が5,490億円の赤字(過去最大)と4ヶ月連続で赤字となったこと。輸出で儲けるはずの国が貿易赤字を囃し立てて株高となるのは奇妙な話ではある。

貿易赤字⇒円安、という連想は目先的には分かり易い。しかし、貿易赤字の拡大⇒経常収支の悪化⇒貯蓄投資差額の縮小⇒金利上昇、という連鎖により円高を招くことにもなる。さらに日本国債の格付けも下げることになるので、長期金利は上昇し易くなる。するとただでさえ巨額の財政赤字を国債発行で何とかしのいでいる日本政府にとっては財政負担が急増することになる。このシナリオも円安方向へ為替を動かす。その時々で、相場参加者がどのシナリオを重視しているかにより為替相場は動く。

TOPIXも日経平均も上昇したが、どちらも上下に長めのひげを引いたほぼ寄引同事線(トンボ)となった。売り買いの力が拮抗している。9月19日高値を出来高を伴いながら一気に上抜ければ一段高が期待されるが、さて、どうなるか?下に弾き返されることも想定して建て玉の準備をしておきたい。

TOPIX +5 @767
日経平均 +80円 @9,222円

優利加さんのブログ一覧