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「個人投資家応援証券評議会」が発足!

証券業界内のこうした動きは,個人投資家にとって一つの光明かも。

N證券をはじめとする大証券会社の横暴が何時までも許されて良いはずはないでしょう。


「個人投資家応援証券評議会」が活動開始! ネット証券+対面証券の社長が声を揃えたこととは?

「個人投資家応援証券評議会」発足 議長の松本大マネックス証券社長に聞いた!
http://diamond.jp/articles/-/27073
1件のコメントがあります
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    kfjさん
    2012/11/21 09:45
    近い将来リンクが切れる可能性がありますので,松本氏のインタビュー記事を全文引用しておきます。



    個人投資家応援証券評議会」発足
    議長の松本大マネックス証券社長に聞いた!

    国内の証券会社や金融機関が集まる「日本証券業協会」(日証協)の中に、このたび「個人投資家応援証券評議会」が設置されることが決まった。名前からしてわれわれ個人投資家を応援してくれることはわかるが、いったい誰がどんなことをしてくれる評議会なのか!? なぜ、いま設立されたのか!? 議長を務める松本大(まつもと おおき)・マネックス証券代表取締役社長に話を聞いた。


    「個人投資家応援証券評議会」について語る、マネックス証券松本大社長 
    個人投資家応援証券評議会は
    何をしてくれるところなのか!?

    --日証協に「個人投資家応援証券評議会」ができると聞きました。日証協とはどんな協会で、個人投資家応援評議会とはどんな評議会なのか教えてください。

     日証協は、公平公正な取引や投資家保護のために決め事をしたり、話し合いをしている業界組織です。協会員は主に全国の証券会社ですが、ひとくちに証券会社といっても、いろいろな業態があります。

     大企業や法人が対象の業務を行っている証券会社があれば、個人投資家が対象の証券会社もあります。あるいは支店があって対面販売をしている証券会社があれば、マネックス証券のようにネット専業の証券会社もあります。

     日証協では証券業界全体について話し合う「証券戦略会議」があり、その下に「証券評議会」というのがあります。さらに業態ごとに「ホールセール証券評議会」「リテール証券評議会」「インターネット証券評議会」「証券化・オルタナティブ業務等証券評議会」があり、それぞれの課題を話し合っています。


    日本証券業協会は「総会」「理事会」の下に、証券戦略に係る全般的な事項を決定する「証券戦略会議」と自主規制について決定する「自主規制会議」がある。上記は「証券戦略会議」以下の会議体図。評議会のしたにある業態別のワーキング・グループに、新たに「個人投資家応援証券評議会」が設置されることが決まった。
     そこにこのたび、個人投資家を主たる顧客基盤とする証券会社が集まって「個人投資家応援証券評議会」を作り、個人投資家の立場から市場のルールや活性化について提言を出していきたいということで、正式に設置が認められたんです。

     ——今まで、個人投資家の立場から提言をしてくれる評議会は、なかったのですか?

    そういうわけではありません。「リテール証券評議会」にも「インターネット証券評議会」にも、個人の顧客を対象にした証券会社が参加しています。

     ですが、例えば「個人向けもやっているけど、機関投資家や法人を顧客としている証券会社」がありますね。そういう証券会社は、「機関投資家や法人には有利だけれど、個人投資家には不利な仕組みは見直していこう」というような話し合いをしても、100%個人投資家の側に立った態度は打ち出しづらいんですよ。どちらも大切なお客様ですからね。

    100%個人投資家の立場から
    市場のルールを提言していく

    ——「機関投資家や法人向けには有利だけれど、個人投資家には不利な仕組み」とは、例えばどんなものがありますか?

     たくさんありますよ。例えば「公募増資」の仕組みです。公募増資とは上場会社が新たに株を発行して市場からお金を集めることですが、全体の株数が増えるにあたって1株当たりの権利が薄まるので、株価が下がってしまいます。

     近年、いきなり大規模な増資をするところが増えました。そのたびに、それまでその企業の株を保有していた投資家の資産価値が目減りしてきました。企業にとっては資金を集めるために必要な手段ですが、個人投資家にとってはいきなりそれをやられると困ってしまいます。

     私たちは増資に一定のルールを設けるべきと思うのですが、一方で、企業から増資にまつわる仕事を引き受けるのも証券会社なのです。今までの証券評議会でこの問題を話し合っても、個人も企業もお客様という証券会社もいますので、なかなか「大規模増資を規制しよう」という強いメッセージは打ち出せません。

     現に今年の春ごろから大規模増資をする企業が相次いで、個人投資家からは「何とかならないのか!」という声が上がっています。それなのに、既存の評議会は今日の今日まで、どこもこの問題について議論していないようなんです。それって明らかにおかしいでしょう!

     ですから、100%個人投資家を応援できる証券会社だけが集まって、個人投資家の目線から、個人投資家の立場に立った話し合いをして、さまざまな提言をしていこうというわけです。

    大規模増資には規制強化を
    信用売りルールは規制緩和を

    ——なるほど。ほかにはどんなことが話し合われますか?

     現在は評議会の設置が正式承認されて、参加してくれる“個人投資家を主たる顧客基盤とする”証券会社を募っている段階です。10月30日までがその期間で、11月1日付で正式な発足となります。何を議題とするかは、正式なメンバーが揃ってから決めることになっています。

     さはさりながら、既に参加を表明している証券会社や個人投資家の皆さんからは「こういうことを話し合いたい」という声も届いています。例えば、個人投資家の皆さんから聞いているのは「信用取引の空売り規制が厳しすぎる」という意見です。

     現在、空売りには「アップティック・ルール」という規制があって、51単元以上の信用新規売り注文は、現在値より低い価格で発注してはいけないことになっています。

     その一方、現在のマーケットは処理能力が飛躍的に向上し、機関投資家がコンピュータでゼロコンマ数秒の超高速トレードを行っており、株価は目にも止まらぬ速さで動いています。

     個人投資家が現在値より高い価格で信用新規売り注文を入力しても、発注ボタンを押したときには現在値より低い価格になってしまっているなんてことは、しょっちゅうあります。


    個人投資家の立場に立って、制度改正に取り組んでいきたいと語る松本社長
     それでも、それをやってしまうと警告の対象になり以後の取引を制限されたり、信用取引口座を停止されたりといったペナルティを受けることもあります。そのようなルールに意味があるでしょうか。

    ——まったくです。コンピュータが繰り出す超高速売買を見ながら、こちらは手入力ですから気を付けようにも限界がありますね。



    地場証券の対面営業員が
    銘柄の話をしづらいワケは…

     あるいは、これは地方の地場証券の営業員の悩みなのですが、お客様に銘柄を勧めるときに「5銘柄以上の選択肢を揃えないと推奨してはいけない」というルールがあるんです。

     全国規模の大きな証券会社で、本社から「この銘柄を推奨せよ」というような指示が全国の支店に上意下達されるところならまだしも、地場証券の営業員にとって、お客様にお勧めする銘柄を毎日5銘柄探せというのはかなり高いハードルです。

     そうすると営業員はだんだんお客様に銘柄の話ができなくなっているそうです。お客様のほうも営業員に銘柄のことが聞きづらくなって、日本全国津々浦々でだんだんと株に対する興味や話題が失われてしまっている。そんなのつまらないじゃないですか。

     地場の証券会社なら、上場企業の増資を引き受けることもないので利益相反はありません。営業員がそれぞれの努力で研究して2銘柄見つけたら、「この銘柄はいいんじゃないでしょうか」と提案してもよいのではないでしょうか。

    ——(対面販売のない)大手ネット証券の松本社長から「営業員の銘柄推奨の条件を緩和しよう」という提言を聞くのは、ちょっと意外な感じがします。

     そうですか? 私はマーケットが大好きなので、いろんなところで株の話題が語られていて欲しいと思います。われわれネット証券が存在できるのも、株に対する興味・関心が盛り上がっていればこそです。

     個人投資家と直に接する証券会社の営業員が、個別銘柄の話をしづらい環境で株式投資が盛り上がるはずがありません。そうなって困るのは、私たち証券会社だけでないはずです。上場企業にとっても、経済を活性化したい国にとってもマイナスです。ザイオンラインさんにとってもそうでしょう?

    個人投資家応援証券評議会が
    議論を起こして変えていく!

    ——「個人投資家応援証券評議会」は何かを決定する力はあるんですか?

     少なくとも「発信する力」はあります。それは、この評議会が日証協の中に設置されたというところに意味があるのです。評議会の議論は全てがガラス張りで、全国の証券会社に伝わっていくでしょう 。また、取りまとめた提言は正式なルートで、証券戦略会議などしかるべき場に上げられます。

     先述の大規模増資の問題にしても、個人投資家応援証券評議会で規制を決定することはできませんが「規制が必要だ!」と提言することはできます。そうすれば他の評議会も、見てみぬフリはできなくなる。賛同してくれるか、あるいは対案を出してくるか――とにかく議論は起こります。今まではそれすらなかったわけですから。

     この評議会はハッキリ「個人投資家応援」と打ち出しているので、100%個人投資家の側に立った提言をしていきます。有識者会議的なものにするつもりはありませんし、輪郭のくっきりした強いメッセージを打ち出していきたいと思っています。途中経過は逐一ご報告します。

    ——最後に、ザイオンラインの読者にメッセージをお願いします。

     はい。かつて日本の株式市場では、銀行や企業が互いの株を持ち合ったり、年金機構が株を買ったりして、存在感がありました。ところがここ数年で銀行や企業の株の持ち合いはかなり解消され、年金も今後は払い超になって株を買うどころではなくなっていきます。現在は名実ともに個人投資家こそが、マーケットの主役になっています。

     にもかかわらず、これまで個人投資家の声を聞き、個人投資家の立場からマーケットのルールを作っていくということが、十分になされてきませんでした。それを、私たち「個人投資家応援証券評議会」が実現していきたいと思っています。

     私たちは個人投資家の皆さんを応援し、お手伝いし、お守りすることを約束します。ですから、個人投資家の皆さんも、私たちに声を届けてください。意見を聞かせてください。マーケットを良くするアイデアがあれば、どんどん教えてください。それを我々は議論して、実現できるように努力します。一緒に株式市場を盛り上げていきましょう!



    ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

     日本株は07年の後半頃からずっと低迷が続いている。主要な海外市場はとっくにリーマンショック前の株価を回復しているのに、日本は未だにその後遺症を引きずっている。

     株よりもFXをやる投資家が増えて「個人投資家の株離れ」とも言われて久しい。「このどんよりとした閉塞感を打破したい。株式市場を盛り上げたい!」という業界の切なる願いが、今回の「個人投資家応援証券評議会」設置の背景にあるのは間違いない。

     大規模増資やインサイダーの問題については「今さらやっと!?」という気もしないではない。が、ネット証券や地場証券が業態の垣根を越えて「個人投資家応援」という枠組みでまとまってくれたのは斬新だし、望ましいところ。松本議長の話ぶりにも力がこもっていて、並々ならぬ意気込みが感じられた。

     「結局、何においてもプロが有利なようにできてるんでしょ」と言われる状況を変えていくために、われわれ個人投資家も積極的に声をあげていきたい。同評議会は正式発足後に個人投資家から意見を聞く窓口を設ける予定。もちろん、ザイオンラインに送っていただいてもOKです。当サイトが評議会にあなたの声を届けます。

    (取材・文/渡辺一朗 撮影/堀内慎祐)
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