ハチ公 飼い主の博士と並ぶ初の像 20日に除幕式

arama-さん
 



 








鋳型の元となった像を前に思いを語る彫刻家の稲垣克次さん=13日、三重県菰野町の稲垣さんのアトリエで






 「忠犬ハチ公」の飼い主だった上野英三郎博士(一八七二~一九二五年)の出身地・津市に、ハチと博士との別れのシーンを再現した銅像が建立される。渋谷駅前の銅像はハチだけだが、津市では博士とハチが並んだ全国初めての像になり、「絆」を表現したという。二十日の除幕式を前に、鋳型の元になった像が公開された。 



 ハチの存在に隠れがちだった博士を顕彰するため、住民でつくる「上野博士とハチの銅像を建てる会」が三年前から準備してきた。銅像は、出身地に近い三重県鈴鹿市の彫刻家稲垣克次さん(71)が手掛けた。



 耳を立て、八の字に足を開いたハチは、生後十七カ月ほどの姿をイメージした。博士と最後の別れとなった日が想定だ。博士は身長一八〇センチ、ハチは全高八二センチほど。



 制作費や維持費など一千万円を目標に寄付を募り、用地確保に奔走してきた「建てる会」の多田滋郎代表(79)=津市久居新町=は、穏やかな表情で向かい合う博士とハチの姿に「手前みそかもしれないが、今までの、どのハチよりも幸せそう」と目を細めた。



 銅像は富山県の業者が鋳造して、十七日に近鉄久居駅前の公園に設置される。多田さんは「博士とハチの再会がかなう日。早く実物を見たい」と心待ちにしている。



 除幕式では、顕彰歌「ああ忠犬ハチ公よ」が披露される。ハチの故郷・秋田県大館市と渋谷駅、久居の情景が織り込まれ、作詞した森本晃さん(75)=津市寿町=は「博士とハチの絆にならい、ゆかりの地をつなぐきっかけになれば」と願う。地元の七十人からなる合唱団が連日、練習に励んでいる。



 当日は、大館市長や渋谷区長、上野博士とゆかりのある東京大関係者らも招かれ、博士とハチが伝えた深い絆を後世に語り継ぐ。



 忠犬ハチ公 上野英三郎博士が知人を通じて子犬の時に譲られた秋田犬。渋谷駅近くに住み、博士が旧東京帝大に出勤する朝は駅で見送り、夕方は迎えにいくのが日課だった。博士が大学で急死したのを理解できないハチは、亡き主人を駅で待ち続けた。

arama-さんのブログ一覧