ある夜、夕食を食べながら、女房と、秋子の職場について話してみた。
「携帯端末は、操作が難しくて、説明に一人、1時間はかかる。そうして、次の日に、分からないと言って、もう一度、説明を求めてくる。その時に、お客は、怒鳴ったり、説明が悪いと怒っている。」
「携帯を放り投げたりする。」
「仕事が忙しいのか、休暇をとらせてくれない。休暇を2日とると、有給休暇は1日だけで、後の1日は給料を出すかどうか不明。」
「28歳従業員の場合、その職場では、勤務年数の長い女性の先輩が、体力がもたないと言って、辞めていった。」
「その時に、会社に悪いと言って、早目に言ったら、その冬のボーナスは0.5カ月しか出なかった。他の人は1カ月出たのに。」
「そうすると、新人を採用するが、たいてい、2年で辞めていってしまう。」
「会社は、従業員を使い捨てみたいに、考えている。」
「とにかく、残業が長い、一日の労働時間が10時間とか11時間などは、普通になっている。」
「それが、古くなってくると、お客がいなくなった後で、更に顧客へのメールを出す作業がある。そのメールを秋子は任されている。その分、帰りが遅くなる。」
とまあ、こんな事が今の会社である。会社の業務がキツイと言える。パソコンのプログラム作成程では無いが、携帯端末の操作は、難しいらしい。他では不景気なのに、それだけ売れていて繁盛しているが、会社は、目先のことばかりで、遠いその先を考えていない。今、儲けるだけ儲けようという事らしい。
こんな会社の経営なので、どうやら、従業員の事をあまり、考えない会社らしい。従業員はくたくたに疲れて、次から次へと辞めていく。だから、常に従業員を、募集している。従業員を使い捨てくらいに考えているのではないか。
管理職に人財はいないのか。昔から学校から進学するのに、成績優秀な者は、工業で、優秀で無いものは商業と相場が決まっていた。こんなことが、その後の社会にあてはまり、この会社でも、現実に起きているのだろうか。
この会社は商業なので、会社全体の人材が劣っているのだろうか。やはり、そうなのか。そうだとしても、これは経営者が、会社の運営で、何とか工夫し、改善しなければと思うが、この会社には従業員の事を考える能力のある人財は、いないのだろうか。