東京駅を中心に経済効果が期待できるそうです
赤レンガ駅舎として親しまれてきた丸の内駅舎が開業時(大正3年)の姿に復元され、2度目の週末を迎えたJR東京駅。駅そのものが新たな観光スポットになり、大きな経済効果を生み出している。乗降客数が前年の同じ時期に比べて4割増えたほか、駅舎内のホテルや隣接の百貨店、周辺商業施設も軒並み好調だ。乗り換え客も含め、毎日100万人以上が利用する東京駅を核にした消費拡大に、期待が高まる。
丸の内駅舎は13日も、携帯電話やカメラでドーム屋根などを撮影する観光客らでにぎわった。JR東日本の冨田哲郎社長は前日の定例会見で、東京駅の近距離切符の扱いが前年よりも4割増えたと説明。「まだ1週間ちょっとだが、経済的な面でも効果が出ている。東京スカイツリーとともに、存在感を増してもらえれば」と期待を示した。
駅舎内にあるJR東日本グループの東京ステーションホテルも、1泊80万円以上の最高級の「ロイヤルスイート」にも予約が入る好調な滑り出しだ。
周辺商業施設も、東京駅効果で販売を伸ばしている。三菱地所によると、丸の内の「新丸ビル」の1~8日までの施設売上高は前年同期比23%増、「丸ビル」も14%増だ。来客者の増加を各店舗が実感しているという。
百貨店は、東京駅八重洲口に隣接する大丸東京店の来店客数が、5日の開店後最初の週末に前年同期比ほぼ2倍、その後も平日の売上高が同60%増で推移している。売り場面積を1・4倍に広げた改装効果と連動した格好だ。
松屋が丸の内南口に約20平方メートルの超小型店として3日オープンした「松屋 東京丸ノ内」は、1日当たりの来店客数が700~800人、売上高が30万円前後で「予想以上の実績」(古屋毅彦取締役)だ。
バークレイズ証券の姫野良太アナリストは、八重洲側を含めた一連の東京駅のリニューアルで、「JR東に毎年、営業利益ベースで100億円近い貢献がある」と推計。JR東は「東京駅」を新たな収益の柱に据える。