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ギリシャ

[東京 12日 ロイター] 国際通貨基金IMF)・世界銀行年次総会で東京を訪れているラガルドIMF専務理事は12日、ギリシャの財政赤字削減目標について、経済情勢などを踏まえると、目標達成に一定の猶予が必要との認識を示した。だがドイツのショイブレ財務相は、ギリシャに猶予を与えてよいかどうか判断するのは時期尚早と指摘した。


IMFは、ギリシャなど財政問題を抱えた欧州の国の財政健全化努力をめぐり、過度に急激な赤字削減を強いれば、経済に打撃を与えるため逆効果と、態度を軟化させた。厳しい条件付与に反対していた人々や一部新興国はこれを歓迎


ブラジルのマンテガ財務相は「われわれはかねてより、ひたすら過酷な財政政策は逆効果で反発を招きやすいと主張してきた」と述べた。


ラガルドIMF専務理事は討論会で「成長力の乏しさ、市場の圧力、これまでの努力を考えれば、もう少しの時間が必要だ」と述べた。


しかし、討論会に出席したドイツのショイブレ財務相は、赤字削減の約束を覆せば信頼に傷がつくと反論。


IMF、欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)で構成する「トロイカ」がギリシャ調査の報告書をまとめる前にラガルド専務理事が猶予に言及したことを批判し「トロイカの報告書が出るまで憶測は禁物」と述べた。


IMFのトーンが変化した背景には、今週IMFが発表した報告書で、積極的な財政立て直し措置による経済への打撃が予想以上に深刻なことが判明したことがある。さらに、欧州問題にIMFが真剣だということをアピールしたい、というフランス出身のラガルド専務理事の意向もある。


ラガルド専務理事は「勘違いしてはならない。成長がなければ、世界経済の将来は危うい」と述べ「歴史から得られる教訓は、公的債務の削減は成長なしでは信じられないほど困難ということだ。逆に、高水準の債務は成長をより困難にする」と指摘した。


ノーベル賞受賞者の経済学者、ポール・クルーグマン氏は、最新のIMF世界経済見通しに盛り込まれた分析は、かなり悲観的としたうえで、有力な意見に対抗して自らの分析の誤りを認める「勇気を称賛する」とブログで語った。

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