7月25日安値更新は回避されたが

優利加さん
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昨日の米国株は小幅続落した(DJIA -18.58 @13,326.39, NASDAQ -2.37 @3,049.41)。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が839に対して、下落銘柄数は650となった。騰落レシオは96.38%。東証1部の売買代金は1兆2,433億円膨らんだが、今日はSQなのでその分だけ割り引いて考えなければならない。

TOPIXは反発したが、日経平均は小幅続落した。この違いは主に値がさ株であるソフトバンクとファーストリテーリングの日経平均に占める割合が大きいことが原因である。ソフトバンクはアメリカ携帯会社第3位のスプリント・ネクステルとその会社を通してさらに第5位のメトロPCSを総額約2兆円で買収すると発表したため、その財務負担懸念から急落した。ファーストリテーリングも市場予想に届かない業績見通しを発表して急落した。この2銘柄だけで日経平均を約130円押し下げた。それにしてもソフトバンクの孫さんは大胆でギャンブラー的素質があり、且つ、エンターテーナーだと思う。

少し、今回のソフトバンクの買収計画について少し考えてみる。株価は理論的にはROEの変化率に反応して動く。なぜなら、ROEは株主が提供した資金がどれだけ効率的に使われているかを示す指標だからである。そして、ROEは財務レバレッジにより高めることができるが、それはその事業の収益率が借入コストよりも高い場合に限る。本日の株価の反応を見ると、買収による事業の収益率が資金調達コストよりも低いと強く懸念した結果と解釈できる。その懸念の一つとして考えられるのは買収価格が高すぎると判断したのかもしれない。しかし、円高の今は日本企業にとって海外M&Aは正しい戦略だと考える。

TOPIX +5 @718
日経平均 -12円 @8,534円

7月25日安値更新は回避されたがまだ安心はできない。

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