MDRさんのブログ

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欧州への注意が必要な週

先週の株式市場は序盤に8,700円台まで下落していたのですが、日本国内での緩和期待の高まりから伸び始め、週末にはアメリカで雇用統計が大きく改善したことから日経平均の夜間先物取引では最大で一時8,950円まで上昇する場面がありました。
しかし日本が休場だった昨日のアジア、欧州相場はあまりふるわず(アメリカは休場でした)、今日の日本市場の寄り付きは下落して始まる可能性が高そうです。市場にとってネックになっているのは欧州の問題で、ギリシアへの次回融資を占うトロイカ査察団の行動が中断していることや、スペイン各州の緊縮に対する動きなどが市場の心理的な重荷となっています。また、特に今週以降は各国首相が様々な行動を起こし始める予定となっていることから、リスクを嫌う筋の投資家が様子見に回っているということも考えられそうです。
テクニカル的には、日本株は終値では75日移動平均線に、高値では25日の移動平均線に上を抑えられている状況となっています。この下落がもう少し長引いてしまうと、25日移動平均線と75日移動平均線がデッドクロスをしてしまうことになり、その場合市場のセンチメントはより悪化することになるでしょう。
ただ、先週は中期上昇トレンドのサポートラインとなっていた8,800円を割り込んだものの、次のサポートラインは8,500円程度とさほど離れてはおらず、RSIも7月後半や9月上旬で反発した水準に近づいているため、木曜日と金曜日の勢いが持続できなかったとしても、さほど大きな下値不安を持つ必要はなさそうです。
今週は指標としては大きなものは予定されていないのですが、日本時間で昨日から今日にかけてはルクセンブルクでユーロ圏財務相会合が行われましたし、今日はメルケル首相が債務危機勃発以降初めてギリシアに乗り込みます。また、明日にはスペインの首相とフランスの大統領が会談する予定があり、これも目が離せません。
メルケル首相のギシリア入りに関しては、これにあわせて大規模なデモが決行される予定になっており、救済する側の行動に対して救済される側が抗議するという奇妙な構図となっています。こうしたこともあり、10日のバイトマンドイツ連銀総裁の講演はまた厳しいものになると予想され、すぐに欧州の状態が解決されるということはなさそうです。
上昇の気配は見え始めてはいますが、完全に楽観して良い状況からはほど遠いため、上昇が始まってもいつ止まってしまうかは解りません。うまく上昇の初動で買えたとしても、「安値で買えた」と安心感を持たず、手仕舞いまでしっかり気を配ったトレーディングを心がけましょう。
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