秋子の退職(11) 24年10月3日(水)20時06分

堅実さん

 その秋子のストレスを思うと、これは同情したくなる。しかし、仕事で楽なものは、一つも無いことは明彦には充分、分かっている。大変だから、会社は給料を、くれるのである。だから仕事なのである。楽しくて、面白いのは遊びである。だから遊びでは、給料は出ないのである。

 

 秋子の会社での待遇は正社員である。サービス残業では無く、きちんと残業手当は出ている。女子パート従業員とは、同じフロアーにいても、同じ仕事をしていても、給料の格差は大きくある。パートでは夏、冬のボーナスは出ない。パート従業員は、黙っていて、言わないが、心の中では、大きな不満を抱えていることだろう。しかし、パート従業員は、残業は不明だが、短い勤務時間で帰っていく。

 

 秋子は日曜日に休んで、友達と遊びたい。残業の無い会社に働きたい。社労士の受験勉強が充分出来る時間が欲しいというのである。

 

 それはそうである。誰だってそんな職場に勤めたいのである。給料が高くて、残業は無く、休日の多い仕事が欲しい。誰ってそうである。この中、秋子の一番、欲しいのは、休日である。時間である。

 

人生の一大事の時には、準備は周到にすべきである。明彦はそれとなく言っていた。一大事でなくとも、きちんとした生活や仕事が生きるために大切なのである。それなら、秋子が学生の時に、どうして親の言うことを、無視したのかである。学生の時に準備が足りなかったから、更には全く準備らしい準備をせずに、のほほんと日々を送っていたから、半分はこうなったのではないか。

 

典型的な大学のレジャーランド生活である。今の秋子の希望の仕事は、その時に準備すれば、見つかることも、あったはずである。今になってそんな事を言うのかと思う。また、ため息だ。

 

 

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