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ストレステスト

9月28日(ブルームバーグ):スペインの銀行の資本不足額は計593億ユーロ(約5兆9500億円)であることが、28日公表のストレステスト(健全性審査)の結果で分かった。政府は不動産バブル破裂で揺らいだ同国金融業界への信頼回復を目指し、ストレステストを実施した。

コンサルティング会社オリバー・ワイマンの審査結果によると、国営化されたバンキア・グループの資本不足は247億ユーロ。ポプラール・エスパニョール銀行の不足額は32億2000万ユーロだった。14行を対象とした同テストで、資本不足なしと判断されたのはサンタンデール銀行とビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)、サバデル銀行を含め7行だった。スペイン銀行(中央銀行)と経済・競争力省が共同声明で結果を発表した。

スペイン政府は、銀行救済のための最大1000億ユーロの資金支援で欧州各国と合意している。外部機関による銀行のストレステスト実施は、合意した条件の1つだった。同国の金融システムは不動産関連で1800億ユーロ余りの損失を抱えている。スペインが3年連続でマイナス成長になった場合を想定して銀行の必要資本額を算定した今回のテストには、より幅広い救済を欧州に求める場合に備え、銀行セクターを含む経済の再建を進めているとアピールしたい政府の姿勢も見え隠れする。

ベレンベルク銀行(ロンドン)のチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏はテストについて、「スペインにとって重要な手順だ。ただ、市場には常に、数字を疑問視する人間がいるだろう」と話した。

前回の結果下回る

銀行の資本不足額の合計は、6月発表の前回のテスト結果が示した620億ユーロを下回った。今回発表の593億ユーロには、進行中の合併の影響や繰り延べ税資産は含まれない。これらを含めれば不足額は537億ユーロだという。

審査結果によると、資本が不足していたのはほかに、国営化されたカタルーニャバンクなど。ウニカハとカイシャ銀行、シビカ銀行、バンキンテルの資本には不足がなかった。

ラホイ政権は27日に2013年予算案を公表。公務員給与の凍結や住宅ローン関連の税払い戻しの廃止、宝くじ賞金への課税、省庁の支出削減などを盛り込んだ緊縮予算だった。スペインは来年の財政赤字を対国内総生産(GDP)比で4.5%と、12年目標の6.3%からさらに低下させる計画だ。

政府は今年2月と5月に、不動産関連で840億ユーロ相当の損失を新たに認めるよう銀行に命じていた。8月には経営難銀行への対応と不良債権引き受けのバッドバンク設立のための法的枠組みも備えた。

ストレステスト結果発表後に経済・競争力省のラトーレ経済担当次官は、スペインが銀行支援で欧州から必要とする資金は約400億ユーロと、ストレステストで判明した資本不足額の593億ユーロを下回りそうだとの認識を示した。最終的な額を決定するには時期尚早なものの、支援要請額は資本不足額の3分の2程度の規模で済むだろうと述べた。

また、スペイン銀行(中央銀行)のレストイ副総裁は記者会見で、バッドバンクによって必要資本額が減ると話したほか、一部の銀行は自力で資本を調達できるとの見通しも示した。

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