米航空宇宙局(NASA)は27日、火星で活動中の無人探査車「キュリオシティー」が丸い砂利を含む堆積岩を発見、太古の川床の跡とみられると発表した。砂利は水に流されて丸くなったと考えられ、川が存在したことを示すと判断した。
軌道上の探査機「マーズ・リコネサンス・オービター」などが、川が流れてできたとみられる扇状の地形を確認していたが、大量に水があった直接の証拠が見つかったのは初めて。一時は人の足首から腰程度の深さの水があり、流れは秒速約1メートルだったとみられる。
かつては微生物などの生命を育む温暖な環境だった可能性があり、NASAは有機物など生命活動の痕跡が残されていないか引き続き調べる。
研究チームは、キュリオシティーが8月初めに火星のクレーターに着陸後、撮影した画像を詳細に分析。地表に露出した数カ所の岩石が、丸い砂利が川の底に集まってできた堆積岩だと判断。砂利の大きさなどから水の深さや流れの速さを推定した。水が豊富にあった時期は不明という。
上空の探査機が捉えた地形データでは、堆積岩が見つかった場所は、川がクレーターに流れ込んでできたとみられる扇状の地形のさらに下流。