先日、CNBCの番組で、外資系金融会社の女性のアナリストが、「政治の結果は株価に影響しません」といっていました。とんでもない間違いです。政治が社会を動かし、経済を動かし、その結果が株価です。民主党政権に変わった3年間の株価の動きをみれば一目瞭然です。
民主党政権が誕生した3年前、関西に住む株友の一人が、「ユーさん、株はもう駄目だね!金持ちから金を取り上げ、貧乏人ばかりにばら撒く世の中ではね」といって、株の大半を売り、土地とアメリカ国債に変えてしまいました。証券会社のセールスマンから有数の資産家に這い上がった彼が、どうしたら大切な財産を守れるのか、その答えが政治と株価との関係だったようです。
テレビでは連日のように、次の総裁に誰がなるかを伝えています。ただ、選挙の焦点が、国の安全保障に移って、経済問題が隠れてしまったように見えます。私は、中国の暴動を見て、日本の経済活動に影響があるから、穏便になどというつもりはまったくありません。
自分の国の財産を自分で破壊するのが、愛国的だとしているような国に、投資をするのがそもそもの間違えです。多少の損は勉強代だと諦めて、国の安全保障に全力を挙げるのは当たり前です。国の安全保障は経済問題と深く結びついていますので、そのためには信頼できる政治体制を速く構築されることを望みます。
戦後日本は、経済活動に結びつかない軍事費をアメリカに負担してもらって、経済を発展させてきました。周辺の国が同じような道を歩んでくれればよかったのですが、中国も韓国も国力をつけてくると、軍事力で経済を支えるようになり、経済一辺倒で国力をあげることが通用しなくなってきました。
こんななか、今日の民主、自民の党首選挙戦を見る限り、どの党も国を守る決意は変わらないように見えます。国防費を増やさなければ、国を守れないのも共通です。では、そのお金はどこから出すのでしょうか。無駄を削減してですか。私は、日本の富裕層である高齢者から資金を集め、増大する国防費に当てたらと考えています。
さて、経済の問題です。現在の株価は、民主党政権が交代することを織り込んで上昇しているというのが私の見方です。年内に総選挙が行われれば、株価1万円も射程に入ってきました。政権交代で日本のデフレが解消するという期待があるからです。
バブル後の20年間、日本経済は縮小の一途です。その原因は少子高齢化、財政の悪化などいろいろあげられていますが、衆目の一致するところはデフレであり、円高です。デフレと円高については卵と鶏の関係かもしれませんが、根本はデフレです。
日銀が物価を守ってきたからです。デフレが物価の安定かどうかは、議論のあるところですが、物価の安定が経済の安定に繋がっていることも事実です。でも、世の中の動きはこの間様変わりです。
少子高齢化は、先進国ばかりではなく、途上国でも顕著になる中で、これらの国では、経済は発展しています。アメリカ、ヨーロッパは、日本の停滞から、財政出動だけでなく金融政策で経済を向上させる道を選んでいます。
アメリカの大統領選挙でも、次のFBRの総裁が焦点になり、それが今回のQE3に繋がったとみる人もいます。白川総裁の任期は来年の4月です。この4年間に物価の優等生という評価はあったかもしれませんが、円高と経済停滞で企業は海外に逃げてゆき、若者を中心に雇用は縮小の一途です。
白川総裁を誰が選んだか。もちろん選挙ではありません。当時与党ではなかったものの、民主党が総裁にしたというのが衆目の一致したところです。今回の総選挙では与党が日銀総裁を選ぶことになります。つまり今回の選挙は、次の日銀総裁を選ぶ選挙になるということです。民主党が居座って、4月以降に総選挙となると、総裁の留任ということもありえます。
それでは一体誰が、日銀総裁になるのがふさわしいのでしょうか。根本はデフレの解消ができる人です。この欄でも、日銀の金融政策についての批判は目にします。日銀総裁したいような人もいそうです。ただ、具体的に名前を挙げて推薦している意見はないようです。
日銀総裁の人事は、従来から大蔵と日銀とのたすき掛けで(今の白川総裁少し違う)決められていましたが、今回は経済学者の中から選びたいものです・・・。残念ながら日本の経済学者から頭に浮かぶ人はいません。バーナンキに推薦してもらうのも手かもしれません。