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新興国株式投資 -3/22/2008- +ヘッジファンド考

∇新興国株式ポートフォリオの損益率
ドル建て・株式のみの損益率:-15.92%
円換算・株式+現金の損益率:-25.75 %
※運用開始日は2007年12月13日です。過去のポートフォリオ推移を記録した日記には、「新興国市場」というタグをつけています。
※ADRもしくは米国市場上場の銘柄のみなので、全てドル建てで買っています


∇保有銘柄の損益率
GFA / GAFISA(ブラジル・建設):-5.54 %
CZZ / COSAN LTD CL A(ブラジル・食料):+16.22%
ULTR / ULTRAPETROL LTD(ブラジル・海運):-37.27 %
SLT / STERLITE IND ADS(インド・非鉄):-33.11 %
INFY / INFOSYS TECH ADR(インド・IT):-21.92 %
TTM / TATA MOTORS LTD(インド・自動車):-10.12 %
TCL / TATA COM LTD(インド・通信):-20.06 %
IVN / IVANHOE MINES(カナダ・金鉱):-5.29 %
EWZ / ISHARES BRAZIL(ブラジル・ETF):-3.41 %
EZA / ISHARES S AFRICA(南アフリカ・ETF):-16.48 %
EWM / ISHARES MALAYSIA(マレーシア・ETF):-11.86 %

商品価格の急落で、資源関連であるEWZ、EZA、CZZ、IVNが大きく下がりました。
月曜夜の原油価格急落で商品のラリーは終わったと思って、火曜日に今まで値もちの良かったEWZを八割売って、ULTRとTTMを買い増ししておきました。

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ロイターのヘッジファンド関連の記事で、ちょっと引っかかったことを。
とりあえず、その記事は以下です。

・米欧市場でヘッジファンドの現金化加速、信用収縮は新段階に
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-30947220080321
・商品相場急落の裏にヘッジファンド危機、実質ゼロ金利のドル相場にさらなる重し
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-30948120080321

この記事から受ける印象は、ヘッジファンドがやばいらしい、株式市場にも投売りが来るんじゃないか・・・というものではないでしょうか(直接そうは書いてないけど)。

>商品相場の急落は単なる利益確定でなく、巨額損失で身動きが取れなくなったヘッジファンドの投げ売りらしい―
>「運用難で首の回らなくなったヘッジファンドがとりあえず、利益の出ている商品を投げ売っているようだ」(市場筋)

と書いてありますが、商品ロングをやってたところが巨額損失というのが変だなと思いました。商品ロングをやっているヘッジファンドは、戦略のカテゴリとしては、グローバル・マクロ、マネージド・フューチャーズ、あとロングオンリーのコモディティ・ファンド(ヘッジファンドじゃないけど)あたりでしょうか。グローバル・マクロもマネージド・フューチャーズも、世界中の商品や為替や債券や株式を取引するタイプのヘッジファンドです。マネージド・フューチャーズはそれぞれのアセットクラスの先物を主にシステムに従って取引するところが、グローバル・マクロと異なる点かな。私はこの世界に入ったことないので間違って解釈しているかもしれませんが。

で、グローバル・マクロのヘッジファンドの最近の運用成績って好調なんです。おそらく、商品買い/ドル売り/国債買い/株売り ってのが主流だったのでしょうけど(そうじゃなきゃ利益出ないでしょうし)。
・グローバル・マクロ戦略10年ぶりの復権
http://www.hf-klug.jp/hfnews/hfcomp/hfcomp001640.html
・コモディティ・ヘッジファンドのブルーゴールド、2月は30%のリターン
http://www.hf-klug.jp/hfnews/hfcomp/hfcomp001634.html
・米ヘッジファンド大手のシタデル、グローバルマクロ戦略の人員増強
http://www.hf-klug.jp/hfnews/hfcomp/hfcomp001600.html
・パフォーマンス堅調なヘッジファンド
http://www.hf-klug.jp/hfnews/hfcomp/hfcomp001592.html

マネージド・フューチャーズもおそらく似たような取引が主流でしょうね。順張りがメインでしょうから。考えて見ると、運用成績好調なヘッジファンドが巨額損失で身動きが取れないっておかしくないでしょうか。仮に、商品買い/株買いってやってて、株価下落でやられちゃったとかは、まあ考えられますが・・・それはグローバル・マクロやマネージド・フューチャーズのヘッジファンドの主流ではないと思います。今までのマーケットの動き-株・国債・為替・商品の連動の仕方を見てると、そう思います。ドル下落・商品上昇・国債上昇・株下落って同時にきてましたから。

証拠金の引き上げや担保掛目の引き下げみたいなことが原因でレバレッジの縮小が起こっていて、それでヘッジファンドが手仕舞いしているんだったらわかります。3月上旬、カーライルキャピタルがデフォルトしたりしたあたりに、そういうニュースが多く流れていて、株式関連のヘッジファンド(戦略としては株式ロングショート、ロングオンリーあたり)からと思われる株売りも出てましたから。そういうレバレッジの縮小が、グローバル・マクロ、マネージド・フューチャーズに起こったら、今まで株売りのところが多かったでしょうから、株(先物含む)は買われます。実際、金曜の日本市場の動きも、国債先物売り・株先物買いの力が強かったので、手仕舞いが起こっていたのでしょう。でもそれは、破綻に伴うものなのか、レバレッジの縮小に伴うものなのか、単に商品価格の下落に伴って商品手仕舞いと同時に他のポジションも手仕舞いしただけなのかはわかりません。

もし仮に、株式ロングに偏っていたところがあらかたレバレッジ縮小や破綻してしまっていて、今まで利益が出ていた株式ショートに偏っていたところが商品価格の急落に伴うグローバル・マクロなどのポジション解消に伴ってショートポジションを一気に買い戻すことになったら、2月下旬みたいになぜだか株価は上昇するという状況もありうるわけです。(逆にロングに偏ったところのレバレッジ縮小にが続いて、さらに株売りが出てくることもありえます)

何を言いたいのかよくわからなくなってきましたが、まとめると、ロイターの記事にあるように苦しくなっているヘッジファンドは多いのは事実だと思いますが、そういったヘッジファンドのポジション圧縮が、マーケットに対してどういう影響を与えるかは、彼らが今までどういったポジションを取っていたかによって変わりますし、ヘッジファンドの戦略にも色々な種類があるので、ヘッジファンドヤバス⇒株ヤバス、という短絡的な思考はしない方が良いと思います、ということです。

ちなみにちょうど2年前の、2006年3月ー5月あたりは、株買い/商品買い/国債売り というのが主流で、5月10日あたりに商品価格がピークをつけたあとは、一気にポジションの解消が起こって、株価も急落しました。この場合は、商品買い/株買いを同時にやっていたところが多かったので、商品売り⇒株売りというのは納得できる説明ですね。このときも、ヘッジファンドが破綻、などのニュースが頻繁に流れていました。


補足。ヘッジファンドのタイプについては以下を参照してください。戦略名で検索すればもっと詳しい説明も出てきます。
http://kaigaitoushi.com/hedgefund.htm
http://www2.monex.co.jp/monex_blog/archives/cat_36.html
4件のコメントがあります
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    みやまな鉄砲長さん
    2008/3/22 23:38
    こんばんは、NGTNさん

    この前紹介したヘッジファンドクルーク
    俺も時々読んでます。
    (時間があるときだけなんですけど。。。)

    >という短絡的な思考はしない方が良いと思います、ということです。
    目先っぽい感じしますね。。。
    マインド低下にあおりが入ってる気がします。(^^ゞ

    >2006年3月ー5月あたりは、株買い/商品買い/国債売り というのが主流で、5月10日あたりに商品価格ピークをつけたあとは、一気にポジションの解消が起こって、株価も急落しました。

    なるほど、参考になりましたm(__)m
    このあと7月から株や為替をやり始めるようになったので。。
    チャートとかでもいいんですけど、
    こういうのは体感した人の話を聞くのが一番だと思うので。(^^ゞ

    >補足。ヘッジファンドのタイプについては以下を参照してく
    ださい。戦略名で検索すればもっと詳しい説明も出てきます。

    こういうのあるとたすかるっす(^^ゞ
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    NGTNさん
    2008/3/23 00:01
    みやまな鉄砲長さん、
    最近ロイター(日本)も、バイアスがかかった記事が多いような気がします。色々なところのニュースをチェックおくと、記事の見方も変わってきて良いですね。
    あ、あとマーケットのプレイヤーはヘッジファンドだけじゃないので、ヘッジファンドの動向を気にしすぎるのも良くないと思います。
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    Tanpanさん
    2008/3/23 00:56
    こんばんは^^

    あっ! 私が好きなカブドットコムの「はげガイコツ」山田さんがコメントしてますねぇ^^

    ヘッジファンドって絶対リターンを目指すんですよね?
    もちろん各社それぞれ特徴を出しているのでしょうけど、商品は上がっているのに運用が厳しくなるのがよく判らないです@@
    株式投資もヘッジファンドなら売りでも入れるはずですよね。

    もちろん戦略の失敗ってのはあるんでしょうけど、それにしても臨機応変に売り買いのポジションを変更して利益を出すのが使命でしょうに・・・
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    NGTNさん
    2008/3/23 10:56
    Tanpanさん
    こんにちは。カブコムの山田さんは、表情が素敵ですね。
    商品ロングで入っていたと思われる、グローバル・マクロなどのヘッジファンドが、巨額損失や運用難ってのは変ですよね。でも、例えばの話、株の信用取引で維持率の下限が30%⇒100%に引き上げられたとすると、建玉が大きければ利益の出ているポジションを持っていてもポジションを縮小しないといけなくなります。ヘッジファンドは基本的にはレバレッジをきかせているので、これと似たようなことが、グローバルマクロなどのヘッジファンドにも起こって、強制的な手仕舞いが出た可能性はあります。

    最近多いヘッジファンドの失敗例は、株でも債券でもそうなんですけど、割安を買って割高を売っていたら、みんなが同じような行動をしていて、どこかのファンドの手仕舞いがトリガーとなって割安はさらに売られ割高はさらに買われ、ポジションが苦しくなる⇒手仕舞い⇒他のヘッジファンドのポジションが苦しくなる、とスパイラル的に被害が広がっていくことですね。
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