文京区が妊産婦避難所 

arama-さん

 災害時に困難に直面することが多い妊産婦や乳児を守ろうと、東京都文京区の成沢広修区長は三十一日、災害時に区内の女子大内に、妊産婦専用の避難所を開設すると発表した。区によると、専用避難所の設置は全国で初めて。東京都助産師会などから助産師の派遣も受ける。

 設置場所は、跡見学園女子大(同区)の校舎ビルの三階部分。約一千平方メートルあり、百五十人程度を受け入れられる。区は災害時、避難が必要になる妊婦や一歳未満の乳児、その母親を約六百四十人と想定し、最終的に計四~五カ所の女子大内での設置を目指す。

 助産師は妊婦や母子の健康チェックとケア、母乳ケアをする。避難所には通常の粉ミルクに加え、アレルギー対応の粉ミルクも備蓄する予定で、メーカーにも提供を呼びかけている。避難者の救急搬送先として現在、区内の大学病院に協力を要請している。

 今後は母子手帳の配布時や妊婦健診などで情報提供する。成沢区長は「子育て支援の一環として、妊産婦や乳児を災害弱者と明確に位置付けた」と話す。七日に協定を結ぶ。

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 東日本大震災の避難所について、宮城県助産師会の後藤美子会長は「体育館などでは体を休められなかったという妊婦さんや、赤ちゃんが泣いて肩身が狭かったという母親も多かった」と、母子専用施設の必要性を説く。助産師に、母親が不安な気持ちを吐き出せた例があったといい、母乳ケアなどでゆっくり話せる助産師の存在は「母子の心の安定につながる」と期待する。

 岩手県大船渡市などで、昨年九月から妊産婦の交流サロンを開いている助産師の伊藤怜子さんは「仲間がいて相談できる場所、みんなで赤ちゃんをサポートする場所は、復興の基盤としても大切」と話している。

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