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長期の投資に必要なこと

MDRの芝一樹です。
前回、前々回と短期投資、中期投資で売買の判断に使うべき情報について解説してきました。今回は長期投資について書いてみたいと思います。
この文章を読んでいる方はシステムトレードについて興味を持っている方だと思いますので、初めに時間を無題にしないためにもお伝えしておくと、長期投資ではテクニカル指標を主体としたシステムトレードを行うべきではありません。
それは以下の2つの理由によります。

仕掛けの優位性を保ったまま手仕舞いすることができない
長期的に見て上昇する可能性の高い銘柄を選択する必要がある

これらはいずれも1ポジションあたりの保有期間が長いということに起因します。
短期投資では仕掛けの統計的な優位性を生かす事で有利な取引を行います。しかし長期投資では短期間で手仕舞うという選択肢はそもそも存在しません。もちろん長期的にみて有利な仕掛けができれば良いのですが、これはテクニカル指標を使った仕掛けで有利に取引できる論理的な根拠(「特定の相場状況下では人は似たような反応をする」というもの。「反応」は短期間で行われ、時間が経てば経つほど結果はばらばらになります)から考えると残念ながら存在しません。
また、中期投資では仕掛けの優位性を十分に生かせない分、手仕舞いで損失を抑えて利益を伸ばすような戦略を作る必要があります。これは長期投資でも有効ではあるのですが、1ポジションあたりの保有期間があまりにも長くなってしまうと資金の回転効率が悪化してしまい、現実的な戦略とは言えません。つまり、長期的な投資で資金効率を上げるためには、仕掛けの時点で優位性を持って投資をする必要が出てきてしまいます。
これらの事は矛盾するために、どうしてもテクニカル指標をベースにしたトレーディングでは長期投資を行うことは難しいのです。この矛盾を解決する事ができるのがファンダメンタルズ分析をベースにした取引方法です。企業の業績を調べ、市場から必要以上に安く評価されているようであればそのタイミングで購入し、市場が正しくその企業の価値を評価するようになったら手仕舞う、という昔ながらの投資の王道手段がこれなのです。
ただし、この方法を実現するためには経済の動向に気を配り、財務諸表についての知識を得、必要に応じてその企業の経営者に面会する、というような努力が必要になります。これは兼業で投資をしているような大多数の投資家にとっては、時間と資金の兼ね合いでほとんど不可能と言って良いでしょう。
このため個別株の取引で長期投資をするという選択肢は、個人投資家にとってはハードルが高すぎるのです。「株は長く持つつもりで投資をしましょう」ということを時々聞きます。バブル期はそれでも良かったのかも知れませんが、今の相場状況で無条件にその助言に従うことは危険でしかありません。あなたは漫然と株を持ってはいませんか。
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