昨晩のNYダウは12099.66(‐293.00)でおわった。前日は証券会社の決算がよ予想ほど悪くなかったというので、大幅に上昇したが、金や原油がアメリカ経済悪化をうけて急落し、メリルにも追加損失のうわさが出てベタ下げし、結局上昇は一日しか持たなかった。ちょうど日足では、雲の下限まであげておしかえされた形になっている。まだ日足転換線12062は割っていないが、高値を結んだ上値抵抗線を抜けずにおしかえされているので、再び下値を試す展開になりそうだ。日足転換線や3月10日の11731が守れるかどうかが注目だが、週足の転換線12216もたった一日で割り、上髭になって上値の重さがはっきりして形が悪く、長期中期の下げ基調は変わらない。月足をみると、すでに基準線を割りこみ、上値が急速にきり下がる三角持合になっており、これが下に離れると下げがさらに加速する可能性がある。月足MACDもシグナルをきって下降中である。NYは長期にあげてきたから、下げに転じると、長い調整になるかもしれないのを覚悟しておくべきだろう。
為替も結局100円近辺に戻したものの、98円まで再びドル安になった。アメリカの金利低下が顕著で、中長期的にはドル安の流れは変わらないという声が多いようだ。今の水準は、日足転換線99.64の上までいったが結局押し戻された形。月、週、日いずれも下向きの転換線の下にあり、円高基調はかわらない。ただRCIはいずれも底にはりついており、さらに下げるエネルギーがあるかどうかはやや疑問としない。100円を1ー2円割れたあたりでしばらく滞留するのではないか、と思うのだが、どうだろう。
日経平均は、昨日はNYの反発を見て喜んで296円もあげて12260となったが、その後のNYと為替の動きをみるとぬか喜びの感がいなめない。そもそもNYダウの長中期は下げ基調で、さらにダウ以外は、ナスダックもSP500もダウより形が悪く、超国際優良企業のダウの動きより、アメリカ経済の実態は悪いと思われ、かてて加えて為替の長中期トレンドは円高から一向にかわる気配がない。これでは外需に頼る日経平均がよくなるはずはないであろう。実際、昨日の上げでも、高値が12381の日足転換線にとどいていない出終わっている。NYの下げをうけてふたたび下を試すことになるが、月足をみると、ようやく雲の下限12179の上まで戻してとまっている形であり、この雲の下限水準でとまれればいいのだが、3月17日の11691を守りきれるかどうかもまだ不安だ。
国内景気は「踊り場」だそうだが、どうもいまのところ、下におりるための階段の踊り場にみえる。それにしても、日銀の総裁一人決められず、経済の後退に打つ手一つない日本の政治は、なんなのだろうか。KYどころではなく、NN(無為無策)内閣といいたくなってしまう。