MDRさんのブログ

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ジャクソンホール公演次第の市場

この1週間、日経平均は横ばい相場が続いています。先物の夜間取引を含めても9,000円~9,250円程度の値幅で、勢いのついているときであれば一日で抜いてしまいそうな狭いレンジでの往来となっています。オシレーターを使ったシステムはこのタイプの相場にとても強いため、RSI等を使ったごく短期の取引を行っている人は良い思いをしているのではないでしょうか。
先週後半には欧州危機の再燃という材料を基にした大きな動きが出そうだったのですが、FOMCの議事録に加えて、バーナンキFRB議長が議員に充てた書簡の中で緩和について言及したことから市場は値を戻し、月曜の日経平均は若干ながらの上昇で終えています。
この2週間の相場で意外だったのは、日経平均が節目の9,136円を超えてから一気に上昇という流れにならなかったことでしょう。直近高値として意識はされていて、ブレイクアウト直後には買いが入っていたのですが、9,200円前後でその勢いも衰えてしまっています。日経平均で9,150円~9,350円程度までの価格帯は出来高も少なく、テクニカル的に一気に抜けていく可能性が高いと見ていたのですが、やはり常にそうなるとは限らないのが相場の難しいところですね(だからこそリスク管理が重要なのですが)。
今週のイベントで重要なのは31日に予定されているジャクソンホールでのバーナンキFRB議長講演でしょう。2年前のこの講演では緩和について明確な発言があり、実際その2ヶ月後にQE2が始まりました。その前にも重要な発表がされたことがあるため、この講演は世界的に注目されています。昨年は逆に量的緩和を実施する緊急の必要性はない旨の発表を行いましたが、FOMC議事録、先週の書簡と事前の期待を盛り上げる材料がたくさん出てきていますので、今年は緩和に向けた発表があるのではないかと予想するアナリストが多いようです。もし逆にここで期待を裏切る発言が出るようであれば相場は大きく下げる可能性がありますので、市場の混乱を抑えるためにも少なくとも緩和の完全否定はないと考えられます。
これに先だって水曜日にはアメリカの第二クォーター分のGDP改定値が発表されますが、他の統計指標からはあまり大きな経済の拡大は読み取れませんので、31日に緩和について言及する材料にはなっても、これを止める材料にはならないのではないでしょうか。
ただ、緩和の発表があったとしてもそのあとの欧州の状況によっては大きく上昇せずに下げに転じる可能性もあります。期待で売買せずに、相場の動きをしっかり見て仕掛けるようにしましょう。
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