大津市教育委員会の沢村憲次さわむら・けんじ教育長（65）がさいたま市の男子大学生（19）＝殺人未遂容疑で逮捕＝にハンマーで頭を殴られた事件で、沢村教育長が右目の切り傷や顔面の打撲以外に頭を骨折していたことが16日、市教委や滋賀県警への取材で分かった。
市教委には15、16日の２日間で抗議の電話やメールが計約４３０件あり、「大学生の思いはよく分かる」などと市教委に批判的な内容が多かった。大津市は警戒のため警備員３人を市教委の出入り口や市長室付近に配置した。
県警によると、逮捕された大学生は「テレビやインターネットで報道を見た」「教育長が真実を隠していると思い、許せなかった。殺してやろうと思った」などと供述している。
市教委によると、沢村教育長は入院中で、職員が「大丈夫ですか」と声を掛けるとうなずく様子を見せた。市教委は「復帰時期は未定で、来週以降の公務は調整する必要がある」としている。
７月の報道で市教委の対応が問題になって以降、寄せられた電話やメールは１万５千件以上。沢村教育長の襲撃事件が起こる直前は、それぞれ１日20件程度で、減少傾向にあったという。
