金融庁は10日、インサイダー事件で元執行役員が起訴されたSMBC日興証券(旧日興コーディアル証券)に対し、金融商品取引法に基づく業務改善命令を出した。日興が策定した再発防止策の確実な実行と状況報告を指示。初回の報告期限は今月17日としている。
金融庁は、インサイダー取引への日興の組織的な関与はなかったとみているが、元執行役員は親会社の三井住友銀行からの出向者で経験が乏しかったことや、日興の内部管理態勢が不十分だった点を問題視した。
元執行役員は、担当企業の株式公開買い付けを公表前に入手し、知人と共謀してインサイダー取引で不正な利益を得たとして逮捕、起訴された。