週末に、ベアスターンズへの支援策が発表されたのが、かえって信用不安をあおり、結局ベアスターンズはモルガンに救済合併されることに。ただその株式交換が1株2ドルという先週には60ドル近くあった株価からみれば、紙くず同然の値であり、事実上の破綻処理とみられる。5大証券の一つが倒れたことで、文字通り、アメリカの金融システム全体が危機にさらされている状況である。
昨晩17日のNYは21.16ドル(0.18%)高の1万1972.25ドルでかろうじて値をたもった形だが、12040の日足の転換線にはいぜんとどいていないので、日足でも下げ継続の形である。さしあたりは週足の遅行線が雲下限とぶつかる11740あたりが下値のめどかと思われるが、これを割ると月足の雲の上限10469がターゲットになってしまう。
FRBが0.75%は利下げするということをすでに市場は織り込んでいるようだが、識者は一致して利下げだけではもう効かないと指摘している。金融機関への公的機関の資本注入、さらに公的機関による住宅ローン関連の債権の買取などへアメリカ当局がふみきるまで、市場は落ち着かないといわれている。実際FRBが大きな幅で利下げをしても効かなければもう後がなくなり、金融政策は完全に手詰まりになるだけだろう。
その状況を如実に反映しているのが為替で、一気に95円まで円が急騰、ドルが急落。ドル円には歴史的な円高の78円までほとんど節目らしいものがないので、ドルの売り方は有利で、勢いでさらに円高が進行する可能性は否定できない。あまりにも動きが急すぎるので、いくらか戻すかもしれないが、アメリカで売り方があわてるような明快な動きがでて、円高の流れを大きくかえるのは困難かもしれない。
アメリカ株が下落基調で、アメリカの金利はさらに下げる、円だかはとまらないとなると日経平均にはつらいものがある。昨晩のNYの反発をうけて少し戻すとしても、それ以上日本株をかう理由がなかなかなく、為替の動きによってはさらに下をみにいくかもしれない。月足は雲の下限12179も大きく割っているので、これを回復できないと、遅行線が雲の下限とぶつかるところ10000円割れまでさげる可能性がでてくるところなので、この水準でふんばってほしいものだ。
だがこの期に及んで日銀総裁すら決められないような政治家を選んでいるよう、あきらめるべきなのかもしれない。