「順張り」「逆張り」の意味とは Part3

さ のさん
さ のさん
 前回に続いていよいよ最終回です。

 毎度のことでまずは問題を貼っておきます。

問題:「添付の図中に記号がふってあります。どこで買うのが順張りだと思いますか? 」
(アルファベットは大きなトレンド。数字は小さなトレンドを表しています)

1.「Bならどこでも」
2.「BとCならどこでも」
3.「②、④、⑥、⑧」
4.「②、④、⑥、⑧、⑨、⑪、⑬、⑮」


 前回は「順張り」の意味について、人によって解釈が異なる理由はなぜか?という点を探ったわけですが、その理由として下記の2点が見つかりました。


Ⅰ.トレンドの判断は時間軸(タイムフレーム)によって異なる。

Ⅱ.長い時間軸では「順張り」を守りつつ、短い時間軸では「逆張り」でのトレードを意識的に「逆張り」と呼ぶ人がいる。


 上記ⅠとⅡの理由が織り交ざり、人それぞれで「順張り」の意味が違ってくるわけです。
 結果的に、大きく分けると下記のような投資家が存在していることになります。


A.短い時間軸のトレンドだけを意識して「4」を順張りと考える短期投資家

B.長い時間軸のトレンドだけを意識して「2」を順張りと考える中期投資家

C.長い時間軸のトレンドも短い時間軸のトレンドも意識して「3」を順張りと考える短期および中期投資家


 もっと大きなトレンドを意識してトレードする長期投資家にとっては1が正解になる可能性があります。と同様に1~4以外の選択肢も登場する可能性があるのです。

 Part1の時には「順張り」の中からさらに掘り下げて、より効果的に利益を上げるためのエントリーポイントをコメントしてくださった方がいました。それはとても有益なことだと思いますが、今回はあくまで「順張り」の定義上のお話なので、1~4すべてが答えになりうることを理解していただきたいと思います。

 といいつつ「順張り」「逆張り」と言った考え方はそれ自体が市場で利益を出すことを目的にしている用語ともいえます。
 なのでエントリーポジションを絞ったものだけを「順張り」と考えるのもあながち間違いとは言えないのかもしれませんね。

 個人的に、皆さんが順張りの中でも”特にどのポイントでエントリーするか”といった点には興味があります。
 この日記にコメントいただけるとありがたいです。また、ほかの機会にあらためてお聞きしてみるのもよいかな?と思っています。


 最後になりますが、多くの人が何らかの解釈で「順張り」「逆張り」を意識した投資を行っていると思います。

そんな人たちはもれなく

”「投機」を行っているのだ!”

という点を強調しておきます。

 みん株の日記等を見回していると「投機」あるいは「投機家」は悪者であるかのような記述をたくさん見かけました。

「ヘッジファンドの不当な投機活動で~」
とマスメディアのニュースなどで取りざたされることも多いのでそんな誤解が膨らんでもしかたないと思っています。

が、投機家であり続けたいと願っている僕としては誤解をそのままにしておくのもさみしい限りです。
次回の「わかるようでわからないシリーズ」※は「投機」についての誤解を解いていきたいと思います。


つづく

※勝手にシリーズ化しちゃいました。続くかどうか不安でいっぱいです……
8件のコメントがあります
1~8件 / 全8件
さ のさん
オニールさんの考えている方法で利益を上げられた時は気分爽快ですね。
一つの波の中でより多くの利益を上げることのできる方法だと思います。

一般的には、
底を確認した後に買うというのはおっしゃるとおりだと思いますが、天井を確認しないうちに売るやりかたでも「順張り」とは言っていますね。
思惑さん
私が考える、逆張りとは底を確認する前に買って、天井を確認する前に売る人のこと。
順張りとは、底を確認した後に買って、天井を確認して売る人のこと。
このように理解しています。
あんまりさのさんの書いている内容よく読んでいません。
すんません、あまり考えていないまんで!
さ のさん
「投機」については悪いレッテルが張られがちなんで、なんとかその誤解を解きたいと思ってます。

そのほかにも昨日今日と話題になっている「二日新甫」に代表される「アノマリー」を取り上げたいと思ってます。
PERやPBRを判断材料にすることもアノマリーの一つに過ぎないという点に気付いてない方もいるだろうと思うので。

今日の相場もたしかにそうですね。
いろんな解釈が成り立つからこそ相場が成り立つ。
まさにその通りだと思います。
そうじゃなければ株価は一方通行でストップ高、ストップ安の連続になってしまいますね。
(退会済み)
さのさん、順張り逆張りシリーズありがとうございました。

投資」「投機」の定義も人によって揺らぎがあると思いますし、
他にも分かっているようで分かっていない言葉はいっぱいありましょね。

今日(7月2日)の相場についても、人によっては
『底堅い』『上値が重い』『膠着』『様子見ムード』『材料難』『トレンド継続』等々、
似たようなでも違うような表現になると思います。

もっとも、いろんな解釈(価値判断)の違いがあるから
「相場」が成り立つのでしょうね。
さ のさん
すばらしい回答だと思います。

すべての人が株式投資を一番に考えるべきではありませんからねぇ。
NGTNさん
確実にくる未来はないですからね。全ては蓋然性の問題。大事なのは資産全体のマネジメント、リスクコントロール、あとタイミングですね。
ちなみに私は、お薦め銘柄は?って聞かれたりするときは、
「年に2,3回は大きく下がるときがあるから、そこで日経平均ETF買っとけ。」って答えてます。
さ のさん
なるほど。
③はシビアというか、できる限りリスクを制限した手法ですよね。
出来高を注視するところも参考になります。


流動性の大事さを説明するのは確かに難しいですね。
株をやったことのない人にはそれ以前の話ですから。

NGTNさんにとっては当り前であろう余談ですが
「何の銘柄を買えばいいんですか?」
と聞いてきた初心者には徹底してこう答えています。

「銘柄選びを一番大事にするのは間違いです」
と。


そのようなやりかたは「当て物取引」と呼ばれ、まるで宝くじを買うのと同じようなものであると考えられています。

冷静に考えればすぐに気づくことで、
社長が自身の会社の将来を予見することが難しいというのに、投資家がその会社の将来をぴったりとよそうすることなんていうのはそもそもが難しいことだということに気付くべきなんです。

どんなに確信があったときであってもストップロスの重要性が問われます。
初心者投資家が最初に学ぶべきことはマネーマネジメントです。
(投稿については問題なかったようですよ)
NGTNさん
私は大体三日以内に手仕舞いするので、「3」ですかねー。②と④は前日までの出来高次第といった感じですが。
私も短期トレーダーなので、それを人に言うと渋い顔をされることもありますが、相場を良く知らない人に流動性の重要さをいちいち説明するのも面倒だしまあいいか、と思っちゃいますね・・・
(サイトが重く繋がらなかったりしたので、何回か投稿しなおしてしまいました。変なことになってたらすみません)
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