【行政書士重要過去問】平成22年-問43(行P89)

kenji296606さん
行政書士試験!合格道場


(問題)
次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる原子炉設置許可処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の専門技術的な[ ア ]及び判断を献じてされた被告行政庁の判断に[ イ ]があるか否かという観点から行われるべきであって、現在の科学技術水準に照らし、右[ ア ]において用いられた具体的[ ウ ]に[ イ ]があり、あるいは当該原子炉施設が右の具体的[ ウ ]に適合するとした原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の[ ア ]及び[ エ ]に看過し難い過誤、欠落があり、被告行政庁の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には、被告行政庁の右判断に[ イ ]があるものとして、右判断に基づく原子炉設置許可処分は違法と解すべきである。
 原子炉設置許可処分についての右取消訴訟においては、右処分が前記のような性質を有することにかんがみると、被告行政庁がした右判断に[ イ ]があることの主張、立証責任は、本来、原告が負うべきものと解されるが、当該原子炉施設の安全審査に関する資料をすべて被告行政庁の側が保持していることなどの点を考慮すると、被告行政庁の側において、まず、その依拠した前記の具体的[ ウ ]並びに[ ア ]及び[ エ ]等、被告行政庁の判断に[ イ ]のないことを相当の根拠、資料に基づき主張、立証する必要があり、被告行政庁が右主張、立証を尽くさない場合には、被告行政庁がした右判断に[ イ ]があることが事実上推認されるものというべきである。
(最一小判平成4年10月29日民集46巻7号1174頁以下)
 
1、妥当性 2、要綱 3、重大な事実の誤認 4、予見可能性 5、合理性 6、審査基準 7、答申 8、不合理な点 9、重大かつ明白な瑕疵 10、判断枠組み 11、省令 12、事業計画 13、勧告 14、判断の過程 15、政令 16、根拠事実 17、調査審議 18、裁量の余地 19、法令違背 20、知見

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(解答・解説)
ア:17(調査審議) イ:8(不合理な点) ウ:6(審査基準) エ:14(判断過程)

本問は、伊方原発事件(最判平成4年10月29日)と呼ばれている判例である。
原発訴訟としては、最高裁の初の判決にあたる、もんじゅ事件(最判平成4年9月22日)の方が有名であるが、伊方原発事件は取消訴訟であることから(もんじゅ事件は無効確認訴訟)、こちらも取り上げられることの多い判例である。
当該判例における重要なポイントとしては、周辺住民が原告適格を有することを前提に判決を下している点、現在の科学技術水準に照らし(処分した当時ではなく)、違法判断をするとしている点、本来原告が負うべき立証責任を軽減させている点などが挙げられる。
この辺のポイントを意識しながら、以下空欄に補充した文章を読み直してほしい。

原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる原子炉設置許可処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の専門技術的な[ア:調査審議]及び判断を基にしてされた被告行政庁の判断に[イ:不合理な点]があるか否かという観点から行われるべきであって、現在の科学技術水準に照らし、右[ア:調査審議]において用いられた具体的[ウ:審査基準]に[イ:不合理な点]があり、あるいは当該原子炉施設が右の具体的[ウ:審査基準]に適合するとした原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の[ア:調査審議]及び[エ:判断過程]に看過し難い過誤、欠落があり、被告行政庁の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には、被告行政庁の右判断に[イ:不合理な点]があるものとして、右判断に基づく原子炉設置許可処分は違法と解すべきである。
 原子炉設置許可処分についての右取消訴訟においては、右処分が前記のような性質を有することにかんがみると、被告行政庁がした右判断に[イ:不合理な点]があることの主張、立証責任は、本来、原告が負うべきものと解されるが、当該原子炉施設の安全審査に関する資料をすべて被告行政庁の側が保持していることなどの点を考慮すると、被告行政庁の側において、まず、その依拠した前記の具体的[ウ:審査基準]並びに[ア:調査審議]及び[エ:判断過程]等、被告行政庁の判断に[イ:不合理な点]のないことを相当の根拠、資料に基づき主張、立証する必要があり、被告行政庁が右主張、立証を尽くさない場合には、被告行政庁がした右判断に[イ:不合理な点]があることが事実上推認されるものというべきである。
(最一小判平成4年10月29日民集46巻7号1174頁以下)


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