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欧州銀行監督機構

EU域内銀27行が自己資本要件満たす、依然大きな課題=EBA

[ロンドン 11日 ロイター] 欧州銀行監督機構(EBA)は11日、欧州の銀行は新たな中核的自己資本要件を満たしたものの、依然大きな課題を抱えているとの認識を示した。


EBAは、27の域内銀行が資本要件を満たすために過去1年間に全体で944億ユーロ(1160億ドル)の資本増強を実施したと明らかにした。これらの銀行は債務危機を乗り切るために、760億ユーロの追加資本が必要と指摘されていた。


自己資本の拡充は内部留保の拡大や、新株発行、債務管理を通じて行われたとし、消費者・企業への融資縮小や資産投売りにはつながっていないと説明した。


レバッレジ解消によって減少したリスク資産は全体の0.6%のみだった。


要件を順守するために政府支援が必要だったのは、ポルトガルのバンコBPI(BCP.LS: 株価, 企業情報, レポート)、イタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)(BMPS.MI: 株価, 企業情報, レポート)、バンク・オブ・キプロスBOC.CYなど7行


エンリアEBA議長は、金融危機からの回復と新たな世界レベルの規制要件の順守に向け、域内銀行にはさらに実施するべきことがあると指摘。ロイターに対し「(資本強化が)欧州銀行の困難な状況を解決する特効薬ではないことを強く意識している。銀行セクターの信頼回復は難しい作業だ。非常に複雑な危機下にあり、この点では過度に楽観視しているとみられることは好ましくない」と述べた。


資本強化は、欧州銀行セクターの安定化を実現するために必要な、より包括的な対策の一要素であるとの見解をあらためて表明。「資本強化で、銀行とソブリンの関連という問題が解決しないことや、再び市場へのアクセスが可能になるわけではないことはよく分かっている」と語った。


そのうえで、資本強化は「EU域内の銀行のバランスシート修復過程における必要かつ重要なステップ」とし「現在の資本状況は、1年前と比べて随分良くなっているようだ」との認識を示した。


議長によると、銀行が過去1年半の間に強化した資本額は約2300億ユーロで、この額には、前年のストレステスト(健全性審査)で強化された資本、ギリシャやスペインで実施されている追加措置などが含まれている

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