「なんの、これしき」と頭に念じ、歩いた。大室公園の芝生の上を、腰の痛みを意識しながら、前へ前へと歩いてみた。歩くのと同時に痛みが響く。もう、かれこれ4カ月が経過した。背骨の上の方の圧迫骨折は、痛みが既に無くなっている。腰のあたりの、軸のずれは、どうなるか分からない。椎間板ヘルニアと同じ症状と思う。「これは、痛いんだよ。」以前から聞いていたが、この痛みかと思う。
芝生の外側の歩道に、若い女が2人、なにやらかん高い声で話しながら、走っている。もう夕方で、そろそろ暗くなる。その内側を小さく一周しているのである。ズックの靴が湿ってきた。午後の雨は止んでいたが、芝生は少し湿っているのである。小さく周り、10分程して、舗装してある駐車場に戻った。点々と離れて、数台の車が止まっていた。車は、ほとんど無人で、広い公園なので何処にいっているのかも分からない。東京ディズニーランドの遊園地部分がこの公園の中にすっぽり収まってしまう大きさである。中にある五料池だけでも、東京の日比谷公園よりは大きい。公園全体としては、代々木公園が3つくらいの大きさである。田舎の公園としては、馬鹿デカイ。
明彦君は日産マーチに何とか乗り込んだ。座席に左側が坐り、右足を右手で持ち上げ車の中に入れた。後は運転するだけである。歩くのと違い、運転は楽に出来る。エンジンをかけ、スモールランプを点燈し車を走らせた。でんでんむしの車は、小さいので結構運転しやすい。
ラジオでは、民主党の小沢議員が離党届けを出し、新党を来週初めにも立ち上げるという。消費税増税法案に反対した民主党議員には、党員資格停止処分を出すという。その前は新しい著作権法の不備について話していた。ネットだ、何だと、大変だ。
国道50号に出ると、夕方は少しずつ暗くなりだした。むし熱い日だった。この痛み、何とかなるだろう。そう思った。いざとなれば、神の炎が燃え上がる。
(この明彦君は、あきらめようとしません。人が生きる価値はここにあると、この明彦君は、思っております。どんな逆境でも、受け入れ、その中で出来るだけの、努力をしてみる。今の明彦君です。)