ソフトバンクの孫正義社長は１日、子会社が運転を始めた京都市の大規模太陽光発電所（メガソーラー）の記念式典であいさつし、熊本県と長崎市にメガソーラーを建設する計画を明らかにした。島根県では風力発電所を建設する予定で、同社が現時点で公表した発電所は、全国で計11カ所となる。
太陽光、風力など再生可能エネルギーの普及を促す「固定価格買い取り制度」が１日始まり、ソフトバンク子会社は京都市と群馬県榛東村で運転をスタート。新潟県、福岡県などでも地元自治体などによる発電施設が稼働を始め、再生エネルギーを積極活用する動きが各地で本格化した。
京都市の発電所は、敷地面積８万９千平方メートル。発電能力が２１００キロワット、送電網と接続する出力は約１７００キロワットで増設も予定。孫社長は「公約したことは必ず守る。ぜひやってほしいという土地があれば、さらに増やしたい」と意欲を示した。
新潟県が地元の阿賀野市に建設したメガソーラーや、福岡県嘉麻市の発電所も運転を開始。経済産業省は２０１２年度の再生エネルギー発電出力の増加分を、原発２基分の２５０万キロワットと想定している。
枝野幸男経済産業相は１日、電源開発（Ｊパワー）子会社の郡山布引高原風力発電所（福島県郡山市）を視察し「今年が再生可能エネルギー元年に位置付けられるかは（開始後の）スタートダッシュにかかっている」と期待感を示した。
固定価格買い取り制度は、太陽光などでつくった電力を発電側に有利な条件で買い取るよう、電力会社に義務付ける仕組み。電力会社は買い取り費用を８月分の電気料金から利用者に転嫁。月３００キロワット時を使う家庭の場合、地域に応じて75～１１１円が上乗せされる。
