反発はや息切れか

昨晩12日のNYは、FRBの流動性対策をうけて大幅高したあとを受け、実はその効果は破綻がうわさされている投資ファンドの救済にすぎないといた懐疑的な見方がひろがり、46.57ドル安の1万2110.24ドルとなった。残念ながらたった一日で勢いがとまったようだ。チャートでみると日足でも、転換線12210、基準線12244にとどいていないので、短期のトレンド転換も確認できていない。週足でみても転換線12214の手前でぴたりととまったことになる。企業業績金融市場の混乱、実体経済の悪化、原油高によるインフレ懸念など、いずれも沈静化にはほどとおく、日足ベースでも戻る気力がでてこないという状況だ。アメリカ当局の対応が日本より早いという意見もあるが、市場経済への信奉が強いアメリカで、公的資金投入へ踏み切るのは、むしろ日本より難しいかもしれない。今回のFRBの奇策も、手詰まりの裏返しという感じがいなめない。
 為替市場もFRBの対策の底の浅さを見透かしているような反応だ。103.52までドル高にすすんだのに、現時点では3月11日の101.43を下回る101.24まで円高がすすんでいる。荒っぽい動きだが、FRBの対策がアメリカ経済を上向かせるという期待は、泡のように消え去ってしまったようだ。いろいろなコメントを見ると100円われは必至の状況に追い込まれている。一目均衡表では、103.40の日足転換線前後で結局押し戻されてしまった格好。週足、月足はいぜん円高へのトレンドが鮮明だが日足のボリンジャーも下に広がっているのが気にかかる。再び円高方向をトライする様子だ。
 このような状況で、日経平均がダウを追いかけて舞い上がらず、いったん窓を開けてふきあげて13000にのせながらも、結局長い上髭の陰線となったのは、冷静といえば冷静な反応だろうか。一目でみると、やはり日足の転換線13045の手前で押し戻された形になっている。NYや為替をそのままおいかけるのであれば、101円割れとなる為替と同じく、昨日の上げを全部吐き出してしまう展開になるかもしれない。今回の円高には、日本への期待などはまったくこめられているはずもなく、金利差縮小という極めて実利的なものにすぎない。そして株の売買の7割をしめる外国人の眼から見て、このごにおよんでも、日銀総裁もきめられないという無為無策の日本の株が、まがりなりにも知恵をつくして奇策を連発してあがいているアメリカの株よりも魅力的だとは思えないからである。
 関係者が売りあきてとまってくれることをひたすら祈るしかないというなさけない状況か。
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