民主、造反除名見送り 分裂回避を優先

arama-さん

 民主党は27日、臨時常任幹事会を開き、消費税増税法案の衆院採決で造反した72人への処分を野田佳彦首相と輿石東幹事長に一任すると確認した。分裂回避のため離党前の除名処分は見送る方向だ。増税法案に反対した小沢一郎元代表は28日午後、輿石氏と会談する。集団離党・新党結成も念頭に増税法案の撤回を求めるとみられる。輿石氏は撤回に応じず、党の分裂回避へ協力を呼び掛ける見通しで、平行線に終わる可能性が高い。

 処分の対象は反対票を投じた57人と棄権した15人。体調不良で欠席届を出した羽田孜元首相は対象としない。首相と輿石氏は具体的な処分内容について今後、検討する。

 民主党では過去に法案採決で除名した例がない。首相は26日の会見で、処分に関し「ルールにのっとって」と述べた。

 輿石氏は27日の講演で「除名だと声高らかに言えば、党はどんどん分裂の流れになる」と指摘した。ただ、小沢氏らが新党結成のために離党届を提出すれば「反党行為」として除名も検討する。

 党内では反対票を投じた議員について、一定期間の党員資格停止とする案が浮上している。党員資格停止が3カ月以上となった場合、9月の党代表選での投票権を失うため、反発も予想される。

 首相は27日の民主党参院議員総会で大量造反に関し「早急に輿石氏と態勢立て直しをしなければならない」と強調した。 小沢氏は27日、衆院議員会館の自室で側近議員と会談した。執行部の対応を見極めながら、集団離党や新党結成について最終判断する。小沢氏は26日の記者会見で、増税撤回を「最善の策」として執行部に働き掛ける意向を示していた。小沢氏周辺では、早ければ週内にも離党届を提出すべきだとの声がある。

 輿石氏は27日の講演で小沢氏の動向に関し「自身がつくった民主党という自負がある。そう簡単に党を飛び出すことはない」と述べた。

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