ヨーロッパの債務危機で大手格付け会社ムーディーズは、経営環境が悪化しているスペインの銀行の格付けを一斉に引き下げました。
ムーディーズは今月中旬、スペイン国債の格付けを3段階引き下げましたが、これに伴って25日、スペインの主要銀行28行を対象に、最大4段階の引き下げを発表しました。最大手のサンタンデールは2段階、多額の不良債権を抱え国有化が決まったバンキアも2段階引き下げられ、「投資不適格」となりました。
スペイン政府は25日、銀行救済のため、ユーロ圏諸国に対して正式に金融支援を要請しましたが、今回の格下げで、各銀行の資金調達がさらに難しくなり、金融システムへの不安が一層高まることも予想されます。
一方、25日には地中海の島国・キプロスも金融支援を要請。これでユーロ圏17か国のうち、5か国が支援要請したことになります。
28日からはEU首脳会議が始まりますが、市場では、すでに「抜本的な解決策は期待できない」との悲観的な見方が広がっています。(26日11:28)