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トレンド転換の節目
先週の日本市場は全体的に底堅い動きとなりました。特に金曜日は、前日のアメリカ市場が今年2番目の大きさで下落したにもかかわらず、小幅な下落で寄り付いた後ほぼ木曜日の終値のあたりまで値を戻す展開となりました。今週も底堅い動きが続いていく可能性はありますが、欧州の情勢は決して好転したわけではなく、依然として危険と言えますので注意が必要です。
実際、支援要請を行う見通しとなったスペインの国債やや値を戻してきていますが、イタリア国債については徐々に値が落ちてきています。ギリシアも新政権は立ち上がった直後から国際支援条件を覆し始めており、あまつさえ首相は木曜日からのEU首脳会議を欠席する見通しとなっています。ファンダメンタルズ的にはどう好意的に見積もっても上値を追いにいける材料はありません。
日経平均はテクニカル的には8,300円付近にあった長期の上昇トレンドサポートラインを若干オーバーランしてから戻ってきた形となっており、目下のところは8,800円までの出来高が厚い価格帯でもみ合っている状況です。ここを抜けていければ上昇が続く可能性もあるのですが、月曜の株価は不振に終わりましたので、もしかしたら火曜の相場は大きく下落するかも知れません。
信用売り残がたまってきていますので一定のラインを越えれば一気に上昇していく可能性はあるのですが、一方で信用買い残はより高い水準にありますので、もし下落してしまえば上昇を期待して買っていた投資家の失望売りが大量に出る危険性があります。
アメリカ市場のチャートは一度上抜いた50日移動平均線を再び割り込んで来ており、日経平均もすぐ下に上抜いたばかりの25日移動平均線があります。移動平均線の上抜けはあくまでもトレンド転換の可能性が高いタイミングである、というだけのことで、必ずしも上昇に転じるわけではありません。25日移動平均線と日経平均のゴールデンクロスを買い材料にした方は今後の動きを注視しながら、万が一の時にも損切りを出来るように準備しておきましょう。
今週の大きな動きはなんと言っても木曜日から金曜日にかけて開催されるEU首脳会議でしょう。各国が支援条件を反故にしようとしているギリシアに対してどのような対応を迫るのか、スペインやイタリアの債務危機に対してどのような対応が打ち出されるのかが重要な見所です。ただ、これまでの動きを見ていると何も決まらずリップサービスに終わる可能性が高いのではないでしょうか(しかしそのリップサービスが上手いので、市場は毎回上昇しています)。
今の相場は目先は上昇する可能性が捨てきれませんが、大局的には弱いタイミングだと考えられます。どちらの方向に仕掛けるのも、あるいは仕掛けないのもあなた自身の自由ですが、リスクマネジメントだけは怠らないように気をつけてください。
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